コンベックスの種類と使い方! 長さを測定

TAJIMA コンベックス GCL22-55C




こんにちは長島です。

今回は『コンベックス』を紹介します。
職種に関係なく、沢山の職人さん達が使用している、大事な工具です。

工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。

コンベックスとは

長さを測定する工具です。

建築現場では欠かせない工具ですね。
コンベックスの呼び方も様々で、スケールと言う方やメジャーと言う方もいます。

私はスケールと呼んでいます。

コンベックスの種類

■ メーカー

・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ KDS(ムラテックKDS株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
・ TAJIMA(株式会社TJMデザイン)
・ シンワ(シンワ株式会社)

他にもあると思いますが、コンベックスを販売している代表的なメーカーを記載しています。

KDSやTAJIMAのコンベックスを使用しているのをよく見かけます。

■ テープの種類

▪ ホワイトポリエステル塗装スチール製テープ
折れ曲がりに強く、耐久性にすぐれたSK85(炭素工具鋼第5種)を芯材にホワイトポリエステル樹脂塗料焼付塗装後印刷を施し、その上に透明塗料を焼付塗装したテープです。
▪ ポリエステル塗装スチール製剛厚(ストロング)テープ
折れ曲がりに強く、耐久性にすぐれたSK85(炭素工具鋼第5種)の芯材を従来品よりも約1割厚くしました。ホワイトポリエステル樹脂塗料焼付塗装後印刷を施し、その上に透明塗料を焼付塗装したテープです。
▪ ホワイトポリエステル塗装 ステンレススチール製テープ
サビにくいステンレススチール芯材に、ホワイトポリエステル樹脂塗料焼付塗装後印刷を施し、その上に透明塗料を焼付塗装したテープです。
▪ ナイロンコート スチール製剛厚テープ
折れ曲がりに強く、耐久性にすぐれたSK85(炭素工具鋼第5種)の芯材を従来品よりも約1割厚くしました。特殊塗装後目盛印刷を施し、その上にナイロン12を被覆したテープです。サビ、折れ、摩耗に対する耐久性は抜群で、よごれた場合はそのまま水洗い可能です。
▪ ナイロンコート スチール製テープ
スチールに特殊塗装後目盛印刷を施し、その上にナイロン12を被覆したテープです。サビ、折れ、摩耗に対する耐久性は抜群で、よごれた場合はそのまま水洗い可能です。


出典元:株式会社TJMデザイン

上記、5種類があります。

作り方は、各メーカーで多少は違ってくると思いますが、概ねこのような感じだと思います。

私のオススメはホワイトポリエステル塗装 ステンレススチール製テープです。ステンレスはサビに強いのがいいですよね。

■ 目盛表示

・ メートル目盛
・ 尺目盛

上記、2種類があります。

尺目盛を使用するのは大工さんくらいだと思います。
大工さん以外の方がコンベックスを選ぶ場合は、メートル目盛を選んでくださいね。

■ テープ幅

・ 6mm
・ 10mm
・ 13mm
・ 16mm
・ 19mm
・ 22mm
・ 25mm
・ 27mm

上記、8種類があります。

建築現場で1番使用しているのは25mmが多いです。
私も25mm幅のコンベックスを使用していますが、照明器具の墨出しの時にだけ使用しています。それ以外は19mmか22mmのテープ幅のコンベックスを使用していますよ。

25mm幅のコンベックスは、サイズが大きいし重いので、あまり使いたくないんですよね。
幅が狭い方が小さいし軽いので、作業内容によって数種類を使い分けしています。

■ テープの長さ

・ 1M
・ 2M
・ 3.5M
・ 5M
・ 5.5M
・ 7.5M
・ 10M

1M(メートル)の短いタイプから、10Mの長いタイプまであります。
建築現場でよく使用されているのは5.5Mです。
7.5Mや10Mのコンベックスは、墨出し作業を主にしている方に向いていると思います。

■ ロック機能

・ スタンダードタイプ

ロック機能がないので、テープの伸縮を固定する事ができません。
固定したい場合は、手で抑えるか、少し重いオモリを乗せて固定する必要があります。

・ ロックタイプ

コンベックスの中で一番多いタイプです。
自分がロックを利かせたい時に、ロックを利かせて止める事ができます。

・ ダブルロックタイプ

ロック解除ボタンⒶを押しながらテープを伸ばし、テープを止めたい時にはロック解除ボタンⒶを離すとテープにロックがかかります。
更に、テープを固定したい場合は、ロックボタンⒷを押すと、さらに強いロックがかかります。
テープを戻す場合は、ロックボタンⒷを解除し、ロック解除ボタンⒶを押さないとテープがケースに戻らない構造になっています。

・ オートロックタイプ

テープを伸ばすと自動でロックがかかります。
テープを戻したい時に、ロックを解除して戻すので、テープを伸ばす度に、ロックを解除する必要があります。

ロック機能だけでも4種類があります。

一般的に使用されているのは、ロックタイプで自分がロックをかけたい場合に、ロックを利かせて、コンベックスの伸縮を止められるようになっています。

オートロックタイプはテープを伸ばす度に解除しなくてはならないので、とても面倒です。

更に面倒なのがダブルロックタイプです。
テープを伸ばす時も、戻す時もロックを解除しないとテープが戻りません。
便利な機能かも知れませんが、私は使いづらそうに思えます。

私はロックタイプを使用していますが、このタイプが使いやすいと思いますよ。

■ ケースとカバー

・ ABS樹脂
・ ABS樹脂+エラストマー樹脂

全てのコンベックスは、ABS樹脂のケースに包まれています。
そのABS樹脂を保護する為のカバーがエストラマー樹脂です。
コンベックスは使用頻度が高い工具なので、落下させることが多いと思います。
落下した時の衝撃を軽減させてくれるのがエストラマー樹脂なので、あると安全ですよ。

しかし、エストラマー樹脂が付いているとデメリットもあります。

それは・・・

コンベックス本体が重くなる事と、大きくなることです。

例えば、TAJIMAのスパコン25で製品重量が310gに対して、エストラマー樹脂を施したコンベックスは、350gもあるので、40gも重くなります。
持った感触も一回り大きく感じると思います。

私はエストラマー樹脂があるコンベックスと、エストラマー樹脂がないコンベックスの両方持っていますが、使用した感じだと、大きさや重さは気にならないと思います。

ですので、エストラマー樹脂がある方をオススメします。

■ バネ

・ スチール製
・ ステンレス製

上記2種類があります。

コンベックスで重要なのはテープの材質が重要だと思っている方も多いかと思いますが、私が一番重要に思っているのがバネです。
コンベックスが使えなくなってしまう原因で一番多いのが、テープがケースに戻らない事です。
バネがサビて、動かなくなってしまうと、テープがケースに戻らなくなってしまいます。

テープがケースに収納できなくなるとコンベックスの役割を果たせなくなってしまいますので注意してくださいね。

ステンレスはサビないと思っている方も多いと思いますが、ステンレスの種類によってはサビる事もあります。

対策として、定期的に潤滑油を塗布する事です。
特に屋外で作業されるかたはバネが重要になってくると思うので、週に一度は潤滑油を塗布することをオススメします。

▪ 注意してほしい事

潤滑油を塗布する時に注意してほしい事が一つだけあります。

潤滑油に似たもので、グリスがあります。
グリスは潤滑油よりも粘度が高いので、コンベックスに塗布するのは向いていません。
なので、グリスを塗布するのは止めてください。

粘度が低い潤滑油にして下さいね。

コンベックスの使い方

■ 木材に印を付ける場合

① コンベックスの先端に木材の角を引っ掛ける。
② 印を付けたい寸法で印を付ける。

差し金を持っている場合

持っている差し金より短い寸法の印を付けたい場合は、差し金を利用し、持っている差し金より長い寸法を出したい場合には、コンベックスを利用します。

使い分けると便利ですよ。

■ テナント等で照明器具の中心をだす場合

通常は2人での作業になります。
1人がコンベックスの先端を持ち、もう1人がコンベックス本体を持ちます。

① 建築が出している、通り芯のかえり芯を確認する。

平面図にはX通り、Y通りがあります。
X1~X2の寸法、Y1~Y2の寸法を確認して、かえり芯の寸法を確認してくださいね。
かえり芯は現場によって変わりますので、最初に確認する事をオススメします。
かえり芯は500mm、1000mmが多いです。

② 照明器具の寸法を確認する。

③ かえり芯から照明器具の寸法を引き、印を付ける。

④ X通り、Y通りの2方向から印を付けると、照明器具の中心が出ます。

※ コンベックスの0を基準にするより100mmを基準にすると誤差が少ないです。

100mmを基準にした場合は、照明器具の寸法に100mmをプラスした寸法で印を付けるようにしてくださいね。
もし100mmをプラスしていないと、照明器具のセンターが100mmズレてしまいます。この点だけを注意すれば正確な寸法を出せると思います。

私のオススメ工具

■ コンベックス本体

■ ワンタッチホルダー

まとめ

今回はコンベックスを紹介しました。

作業環境が悪い中でも使用するので、タフでなければなりません。
よく見かけるのは、コンベックスを伸ばした状態から縮まないケースです。
コンベックスの中にはバネがあり、それがサビなどで固着してしまい縮まないと推測されます。なので、スチール製よりもステンレス製が良いと考えます。

他にもコンベックスを落下させて破損させてしまう事もあるので、ABS樹脂+エラストマー樹脂で保護された物が良いと思います。

残念ながら、TAJIMAからはホルダーのみの販売はされていますが、コンベックス本体と、ホルダーの間にアダプターがあるのですが、アダプターのみの販売がされていないので、コンベックスを購入する際は、ホルダー付のセット品を購入する事をオススメします。

私は腰袋の中に入れていますが、25mm幅で長さが5.5Mのコンベックスだとそれだけで場所を取ってしまいますので、ホルダーはあると便利だと思いますよ。

長さを測定する時には、必ず必要な工具です。
必ず必要なので、自分好みの一つを見つけてくださいね。




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