こんにちは、長島です。
今回は『絶縁抵抗計』を紹介します。
ケーブルの絶縁を測定する工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
絶縁抵抗計とは
ケーブルの絶縁を測定する測定工具です。
ケーブルがキズ付いていないか検査する事ができます。
絶縁抵抗計と呼ばずに、メガと呼ぶ事が多いです。
昔からあるタイプはアナログタイプで、絶縁が悪いと針が動いて値を指します。
最近では、デジタルタイプの絶縁抵抗計が販売されています。
デジタルタイプは読み違いが少ないとは思いますが、私はアナログタイプしか使用した事がないので、物足りないような気がします。
しかし、クランプテスターやカードテスターもアナログタイプからデジタルタイプになった時も、同じような感じでしたが、今ではデジタルが当たり前になってきているので、絶縁抵抗計もデジタルが使い慣れれば、デジタルが当たり前になるのかも知れませんね。
絶縁抵抗計の種類
■ メーカー
・ HIOKI(日置電機株式会社)
・ KYORITSU(共立電気計器株式会社)
・ SANWA(三和電気計器株式会社)
他にもあると思いますが、絶縁抵抗計を販売している代表的なメーカーを記載しています。
海外のメーカーもありますが、私は英語が全く分からないので、日本のメーカーが好きです。
■ タイプ
・ アナログタイプ
・ デジタルタイプ
・ デジタルタイプ(高電圧絶縁抵抗計)
上記、3種類があります。
私はアナログタイプしか使った事がありません。
私の周囲もアナログタイプを使っている方が多いです。
■ レンジの種類
・ 単レンジ(アナログ)
1つのレンジしかない、アナログタイプの絶縁抵抗計です。
決まった電圧しか使用しないのなら、このタイプが一番安価です。
・ 3レンジ(アナログ)
3つのレンジが付いている、アナログタイプの絶縁抵抗計です。
単レンジと4レンジの中間なタイプになっています。
・ 4レンジ(アナログ)
4つのレンジが付いている、アナログタイプの絶縁抵抗計です。
・ 5レンジ(デジタル)
5つのレンジが付いている、デジタルタイプの絶縁抵抗計です。
デジタル表示なので読み間違いが少ないです。
・ 任意タイプ(デジタル)
レンジの種類が自由に変えられる、デジタルタイプの絶縁抵抗計です。
自由に変えられると言っても、規定の単位しか変えるしかできません。
① DC25V~1kV だと、25V単位
② DC25V~1kV だと、100V単位
25V単位と100V単位で変える事が可能です。
■ リードの種類
・ スイッチ機能あり
・ スイッチ機能なし
手元にスイッチ機能が付いているタイプと、付いていないタイプの2種類があります。
スイッチ機能が付いているタイプが少しですが高いです。
スイッチ機能が無くても問題はないと感じます。
■ 定格測定電圧と下限測定抵抗値
▪ 定格測定電圧とは
絶縁抵抗計(メガ)で測定する時に使用するレンジの事です。
・ DC25V
・ DC125V
・ DC250V
・ DC500V
・ DC1000V
上記、5種類があります。
よく利用するのはDC500Vですが、機器等が接続している場合には利用できません。
なので、機器を接続する前に絶縁測定する事が大事です。
コンセントやスイッチは機器には分類されないので、DC500V流しても問題ありませんよ。
ただし、コンセントに家電製品が付いていない状態にしてくださいね。
照明器具や換気扇等が、付いている状態では使用できません。
機器が接続している状態で絶縁抵抗を測定するレンジは、DC125V以下です。
あまり高い電圧で測定しないよう注意しましょうね。
■ その他の機能
・ Bluetooth
・ 活線警告
・ 自動放電
・ 交流/直流自動判別
・ コンパレータ
・ ドロッププルーフ
・ オートパワーセーブ
上記のような機能があります。
Bluetoothの機能はデジタルタイプだけに付いている機能です。
測定したデータを、スマートフォンやタブレット等に自動的に取り込みたい時に使用する機能で、工場等の管理した場合に便利な機能だと思います。
一般電気工事屋さんでは不要な機能ではないかと考えます。
■ その他の機能(高電圧絶縁抵抗計)
・ USB
・ 活線警告
・ 自動放電
・ 交流/直流自動判別
・ コンパレータ
・ ドロッププルーフ
・ オートパワーセーブ
■ 電源
・ 単三アルカリ乾電池
・ バッテリと単三アルカリ乾電池の併用型
高電圧絶縁抵抗計だけが、単三アルカリ乾電池とバッテリの併用型になっています。
2つの電源で使用する事が可能です。
その他はタイプは、単三アルカリ乾電池のタイプになっています。
通常使用されているタイプは4本ですが、高電圧絶縁抵抗計だけが6本になっています。
■ サイズ
・ よこ
152mm~260mm
・ たて
92mm~260mm
・ 厚さ
40mm~120mm
・ 重さ
420g~2.8kg
手の平よりも少し大きいくらいのサイズです。
高電圧絶縁抵抗計だけが少し重くて2.8kgもありますが、その他は500g前後くらいの重さです。
絶縁抵抗計のメリット・デメリット
アナログタイプとデジタルタイプを比べてみました。
■ アナログタイプ
▪ メリット
・ 分かりやすい
絶縁が悪いと針がうごくので、分かりやすいです。
・ 沢山の種類がある。
予算に応じて沢山の種類があります。
単レンジが1番安価で、レンジの数が増えるほど、金額も高くなります。
▪ デメリット
・ 誤差がある。
値がアナログなので、人によって多少の誤差があります。
・ レンジが少ない。
アナログタイプには、単レンジ用、3レンジ用、4レンジ用の3タイプがあります。
使用したいレンジを合わせて、選ぶ必要があります。
単レンジを購入した場合、他のレンジで測定する事ができないので、単レンジを選ぶ時には、十分に検討されてくださいね。
■ デジタルタイプ
▪ メリット
・ 読み違いがない。
デジタルで表示するので、読み違いが少ないです。
正確に測定する場合には、便利です。
・ Bluetooth機能がある。
全てに搭載していませんが、Bluetooth機能があるタイプもあります。
スマートフォンやタブレットに送信できるので、沢山記録させる場合には便利です。
・ 測定レンジが多い
デジタルタイプの絶縁抵抗計は5レンジまで測定できます。
▪ デメリット
・ 使い慣れるまで時間がかかる。
私の個人的な意見ですが、私はアナログタイプしか使用した事がないので、使い慣れるまでは時間がかかるような気がします。
しかし、クランプ電流計やカードテスターもデジタルタイプになってきた時には、少し戸惑いましたが、今では、デジタルタイプが当たり前になってきているので、絶縁抵抗計も同じようになるのかも知れませんね。
絶縁抵抗計の使い方
分電盤で使用する場合。
① 接地を取る。
分電盤の接地に、黒のリードを取付けます。
接地が付いていないと絶縁抵抗計が動作しないので、必ず接地を取ってくださいね。
② ブレーカーがOFFになっている事を確認する。
全てのブレーカーがOFFになっている事を確認してください。
ブレーカーがONになっていると、測定したい対象以外も測定してしまいます。
個別に測定する場合は、ブレーカーがOFFの状態が好ましいです。
③ レンジを回転させる。
測定したいレンジに合わせます。(単レンジの場合は不要です。)
機器が接続している場合には、125V以下で測定するのが良いと思います。
コンセント等で機器が接続していない場所には、250V以上で測定してください。
低圧の場合は、500Vレンジで使用する事が多いです。
④ MEASUREを入れる。
MEASUREと記載しているスイッチを入れます。
MEASUREが起きている状態がONで、倒れている状態がOFFになっています。
使用する時には、起こしてください。
⑤ 赤リードを接地にあてる。
絶縁抵抗計が動くか確認します。
接地が取れている場合には、表示が0になります。
絶縁抵抗計が動かないと接地が取れていない状態になっていると思われます。
電線等で接地が取れる所まで、延長してください。
⑥ ブレーカーの2次側にあてる。
赤いリードをブレーカーの2次側にあてます。
スイッチ機能付の場合には、スイッチを押した状態でブレーカーにあてます。
⑦ 値を読む。
規定の範囲よりも上なら問題ありません。
規定の範囲を下回っている場合は、原因を調べて値が上がるようにします。
以上、絶縁抵抗計の使い方でした。
絶縁抵抗計はケーブルの絶縁測定で使用していますが、モーター等の診断にも使用する事ができます。
モーターが接続されているケーブルに、赤リードをあてると値が出てきます。
モーターが壊れていると値が0になっています。
その場合にはモーターの交換が必要です。
モーターを交換する前に接続されているケーブルを外し、もう一度モーター単体で測定する事をオススメします。
もしケーブルが悪い場合も考えられるので、モーター単体で測定して値が0になった場合だけモーターを交換しましょうね。
私のオススメ工具
■ アナログタイプ
■ デジタルタイプ
まとめ
今回は絶縁抵抗計を紹介しました。
絶縁抵抗計はメガとも呼ばれています。
ケーブルや機器が良いか悪いか測定するのは、絶縁抵抗計しかないと思うので、電気工事屋さんには必要な測定工具だと思います。
検討してみてはいかがでしょうか。
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