こんにちは、長島です。
今回は『クランプ電流計』を紹介します。
電流を測定できる便利な測定工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
クランプ電流計とは
電線をクランプ(はさみ込む)することで、回路を切断することなく通電状態 のまま電流を測定することができる測定器です。
マルチテスタやマルチメータの場合、回路を切断して電流測定をしますが、クランプメータは電流が流れている電線を被覆の上から クランプするだけで電流を測定できます。
回路に直接接続しないので、大電流も安全に測定する事ができます。
電気は目に見えませんよね。
イロイロな測定工具を利用して、電気を測定しています。
■ 電気を測定する工具
・ 電流
電流計と呼ばれる測定工具です。
クランプ電流計、クランプリーク電流計、クランプロガーなど
・ 電圧
テスターと呼ばれる測定工具です。
検電器、カードテスター(デジタルタイプ)、アナログテスター、電圧ロガー、コンテスターなど
・ 接地(アース)
アーステスターと呼ばれる接地の値を測定する測定工具です。
接地抵抗計
・ 絶縁
メガとも呼ばれる、電線の傷を測定する測定工具です。
絶縁抵抗計
電気を測定するのに必要な工具は沢山あります。
私が知らないだけでもっとあるのかも知れません。
電気は目に見えないので、沢山の測定工具を利用して電気の流れを見ていますよ。
クランプ電流計の種類
■ メーカー
・ HIOKI(日置電機株式会社)
・ KYORITSU(共立電気計器株式会社)
・ SANWA(三和電気計器株式会社)
他にも沢山あると思いますが、クランプ電流計を販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ クランプ電流計で測定できる事
・ 直流電流
直流の電流値を測定する機能です。
・ 交流電流
交流の電流値を測定する機能です。
・ クレストファクタ
波形のピーク値と実効値の比
・ 直流電圧
直流の電圧値を測定する機能です。
・ 交流電圧
交流の電圧値を測定する機能です。
・ 抵抗
抵抗値を測定できる機能です。
・ 静電容量
電気をためる、すなわち電荷を蓄えるものがコンデンサです。
コンデンサは2枚の導体の板(極板)が、絶縁物(誘電体)の間にはさんで平行に置かれたもので、電荷を蓄える能力の事をいいます。
・ 温度
オプションのセンサーを接続する事で温度を測定できます。
・ 検電
電気が流れているか確認できる機能です。
・ 直流電力
直流の電力値を測定できる機能です。
・ 導通
導通をチェックできる機能です。
・ ダイオード
ダイオードの値を測定できる機能です。
・ AC/DC自動判別
交流か直流かを半別してくれる機能です。
・ 表示値ホールド
測定した値を固定してくれる機能です。ころころと変化する値を固定してくれます。
・ バックライト
文字が見やすいようにしてくれている照明です。
・ オートパワーセーブ
時間が来ると自動で電源を落としてくれる機能です。電池の寿命が短くなりにくいです。
・ ブザー音
導通チェック等でブザー音で知らせてくれる機能です。
・ ゼロアジャスト
ゼロ点調整してくれる機能です。
・ Bluetooth
スマートホンやタブレットにデーターを送信してくれる機能です。
メーカーからアプリをダウンロードする必要があります。
上記のように、沢山の事をすることが可能です。
全てのクランプ電流計で、上記の機能は付いていませんが、機能が増えれば増えるほど、クランプ電流計の金額が高くなります。
測定できる電流値の値が高くなれば高くなるほど、金額も高くなります。
クランプ電流計は、交流叉は直流の電流を測定する測定工具です。
測定したい電流値を決めてから、クランプ電流計を選んでみてはいかがでしょうか。
■ 電流値の表示
・ アナログタイプ
・ デジタルタイプ
デジタルタイプが一般的ですが、針で値を示すアナログタイプもあります。
デジタル表示は数字で表示してくれるので読み違いがなく、一目で分かるのでデジタルタイプがオススメです。
■ 測定できる最大電流値
・ 直流 100A~2000A
・ 交流 100A~3000A
100Aしか測定できないタイプは比較的小さめのクランプ電流計で、3000Aも測定できるタイプは、フレキシブルセンサを使用したタイプのクランプ電流計です。
私の知り合いが使用しているHIOKI クランプ電流計 3280-20Fは、直流は測定できませんが、交流の1000Aまで測定できます。
交流の1000Aを測定する事はあまりないので1000Aあれば十分だと思っています。
■ 電源の種類
・ ボタン電池 LR44×2個
・ コイン型リチウム電池 CR2032×1個
・ 単4アルカリ乾電池×2個
・ 単3アルカリ乾電池×1個
・ 単3アルカリ乾電池×2個
・ 積層型マンガン乾電池 6F22×1
クランプ電流計は電池で動作します。
積層型マンガン乾電池とは、四角な乾電池の9Vタイプです。
大きいタイプのクランプ電流計に使用されています。
■ 測定可能導体径(φmm)
・ φ6mm~φ150mm
クランプを広げた時に広がる幅の事です。(黒矢印の幅)
50mmまでは黄色のクランプ(上記写真)ですが、50mm以上の測定可能導体径は、形を自由に変える事ができるフレキシブルセンサ(下記写真)です。
クランプが入りにくい狭い場所や、電線が密集している場所では、フレキシブルセンサが便利です。
■ サイズ
・ よこ 57mm~254mm
・ 高さ 40mm~260mm
・ 厚さ 16mm~390mm
・ 重さ 100mm~540mm
参考までに記載しています。
小さなタイプから大きなタイプまであります。
お好みで選んでくださいね。
クランプ電流計のメリット・デメリット
クランプリーク電流計と比べてみました。
■ メリット
・ 種類が沢山ある。
クランプ電流計は各メーカーから沢山の種類が販売されています。
クランプリーク電流計は、クランプ電流計と比べて種類が少ないです。
・ 高い電流値も測定できる。
クランプリーク電流計は、私が知る限り1000Aまでしか測定する事ができません。
クランプ電流計は3000Aまで測定できるタイプもあります。
■ デメリット
・ 漏れ電流が測定できない。
漏れ電流が測定できるのはクランプリーク電流計だけです。
クランプ電流計では測定する事はできません。
・ 電圧が測定できるタイプが少ない。
クランプ電流計は、ほとんどのタイプで電圧を測定できますが、クランプリーク電流計はKYORITSUの2412と、SANWAのDLC460Fだけです。
とても種類が少ないです。
クランプ電流計の使い方
■ 電子レンジのコンセントの電流を測定する場合
① ブレーカーのプラス(黒ケーブル)側にクランプする。
電線はプラス側(黒ケーブル)とマイナス側(白ケーブル)がありますが、プラス側にクランプさせます。
電子レンジが動いていない状態では0A(アンペア)です。
② 電子レンジを動かす。
電子レンジをONにすると一気に電流が上がります。
③ 電流値を読む。
電子レンジが安定している状態で、電流値を読みます。
電子レンジの電流値は、電子レンジの裏面に表示していると思いますので、それに近い値が出ているか確かめてくださいね。
④ HOLD機能を使用する。
電流値を間違いなく読みたい時は、クランプ電流計の機能にHOLD機能があります。
HOLD機能を押すと、押した時の電流値を固定させてくれるので、後で読み違いがないか確認する事ができます。
以上、電流値を測定する方法でした。
電流値を読めるのは、クランプ電流計やクランプリーク電流計が便利です。
クランプロガーでも電流値を読む事は出来ますが、かなり高価です。
準備等も少し面倒なので、クランプ電流計を使用した方が簡単に測定できると思いますよ。
私のオススメ工具
■ 本体
■ 付属品
まとめ
今回はクランプ電流計を紹介しました。
機器の電流値を測定する時はクランプ電流計を利用します。
クランプ電流計でも電圧は測定できますが、電流値は電圧計では測定できません。
電流を測定するには、クランプ電流計が必要です。
この工具は電気工事をしている方しか必要のない工具だと思います。
電気工事をしている方は、検討してみてはいかがでしょうか。
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