こんにちは、長島です。
今回は『ホールソー』を紹介します。
ドリルよりも大きな穴があけられる工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
ホールソーとは
大きな穴があけられる工具です。
電気工事では主に、プルボックスや盤の加工に使用されています。
中央にセンタードリルが付いているので、最初に中心の穴をあけ、その後に外側のホールソー刃で穴をあけます。
私は電気工事を20年以上していますが、今の今までホールソーだと勘違いしていました。
このブログを通じて、ホールソーだと気づかされましたよ。
私みたいに勘違いされている方も多いのではないでしょうか。
ホールソーの種類
■ メーカー
・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
他にも沢山あると思いますが、ホールソーを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 素材と適合材質
・ コバルトハイス鋼
鉄板、ステンレス板、アルミニウム板、アクリル板、塩ビ板、プラスチック、金属サイディング、ブリキ、合板、FRP等
・ チタン
軟鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、亜鉛鉄板、プラスチック板
■ サイズ
・ φ12mm~φ180mm
φ100mmまでは1mm単位であり、φ100mm以上のサイズは5mm単位か10mm単位になっています。
シリーズによって多少の違いがあります。
ホールソーは、電気工事の方が良く使用されているかと思いますが、使用頻度が高いサイズは、φ21mm、φ27mm、φ33mmです。
φ21mmだと、厚鋼 ー G16mm・薄鋼 ー E19mm
φ27mmだと、厚鋼 ー G22mm・薄鋼 ー E25mm
Φ33mmだと、厚鋼 ー G28mm・薄鋼 ー E31mm
上記のサイズは、PF管や金属管のコネクタが取付けられるサイズになっていて、プルボックスや分電盤の加工に使用しています。
これより大きいサイズの金属管のコネクタを使用する場合には、φ21mmのホールソーで下穴を開け、油圧パンチャーで適合するサイズの穴を開ける事が多いです。
■ 合わせて読みたい関連記事
・ 油圧パンチャーに関する記事はこちら
油圧パンチャーの種類と使い方! 鉄板に穴を開ける時に便利
■ 取付け方
・ 丸シャンク
チャックハンドルで締付けるタイプです。
取付けシャフトは丸くなっていて、3カ所だけ平らになっています。
ドリルチャックの凸を合わせて取付けます。
・ 六角シャンク
インパクトの、充電式工具にワンタッチで取付けられるタイプです。
6.35mmのビットタイプになっています。
・ コンビシャンク
丸シャンクと六角シャンクどちらでも取付けられるようになっています。
根元部分が丸シャンク、先端が六角シャンクになっています。
軽作業時は六角シャンクでも折れないと思いますが、大きなサイズを開ける時には、ホールソーのシャフトに大きな負荷がかかります。
シャフトが折れてしまったら、ホールソーの機能が果たせなくなってしまいます。
大きなサイズをあける時には、丸シャンクタイプがオススメです。
■ ツバ
・ あり
・ なし
ホールソーのでっぱりの事です。
浅い穴をあけたい場合には、ツバありの方が良いのですが、深い穴をあけたい場合には、ツバなしの方使いやすいです。
■ 回転数
使用するドリルの回転数です。
全てのホールソーに当てはまらないと思いますが、参考までに記載しています。
小さいほど早く回転させられ、大きいほど遅く回転させます。
・ バイメタル
・ SH型 ハイス
・ ST型(超硬)
MARVELのカタログを参考にさせて頂きました。
ホールソーのメリット・デメリット
バイメタルホールソーと超硬ホールソーを比べてみました。
■ バイメタルホールソー
▪ メリット
・ 深い穴があけられる。
ツバがないので深い穴があけられます。
刃が届く所まであけたら、貫通部を折って取り出すと更に深く進む事ができます。
・ インパクトにワンタッチで取付けられる。
6.35mmのビットタイプになっているのでインパクトにワンタッチで取付けられます。
ホールソーをインパクトで使用するのは、あまりオススメはできませんが、スピーディーに作業されたい方には向いていると思います。
▪ デメリット
・ 穴があいても止まる事がありません。
既設のプルボックスや分電盤の中には電線等が入っています。
電線を傷つけてしまう恐れがあるので、既設のプルボックスや分電盤での加工には不向きだと感じます。
・ ステンレス等の硬い材質には向いていない。
1.0mmくらいまではあけられるとカタログには記載していますが、あまりオススメできません。
長く使用されたい方にはステンレスには使用されない方がよいと感じます。
■ 超硬ホールソー
▪ メリット
・ ツバがあるので、有効長さよりも奥に行く事がありません。
有効長さよりも電線をよけていれば、刃があたる事がないと思います。
既設のプルボックスや分電盤での加工には向いていると感じます。
・ ステンレス等の硬い材質でもあけられる。
バイメタルホールソーでもあける事ができますが、刃こぼれしてしまうと思っています。
ステンレス等の硬い材質には超硬ホールソーをご使用ください。
▪ デメリット
・ 深い穴があけられない。
ツバがあるので有効長さ以上よりも深い長さが開けられません。
ツバがあるのはメリットでもありますが、デメリットでもあります。
私が電気工事をしているので、例えが電気工事に特化した事になってしまいました。
電気工事以外でも使用されているとは思いますが、メリット・デメリットで紹介した事で感じ取って頂けると幸いです。
ホールソーの使い方
① 印を付ける。
② ドライバドリルにホールソーを取付ける。
③ 回転数を合わせる。
最近のドライバドリルは無段変速タイプになっているのが多いです。
トリガーの引き具合で回転数が変化するので、トリガーでの調整になると思います。
もし回転数が設定で出来るタイプをお持ちの方だけ回転数を合わせてください。
④ 穴をあける。
垂直になるようにホールソーの切断面をあてます。
高速回転でゴリゴリ回転させないように注意しながら作業してくださいね。
以上、 ホールソーの使い方でした。
ステンレス等の硬い材質の物をあける場合には、カッティングペーストがあると便利です。
刃の焼き付き防止にもなりますし、あけやすくもなります。
大きなサイズのホールソーはとても高価なので、大事に使われた方がよいと思います。
■ 使用上のチェックポイント
MARVELのカタログに写真付きで紹介していたので、参考にさせて頂きました。
① チャックに正しく取り付ける。
ドリルチャックに取付けた後は、空回りさせて回転軸が狂っていないか確かめてから使用してくださいね。
② 回転数を確かめる。
ホールソーの種類によって回転数は違います。
完璧に合わせるのは難しいと思いますが、回転数を合わせるだけでもホールソーが長く使用できると思います。
③ 貫通時の注意
回転させた状態でホールソーが板にあたってしまうと、刃こぼれしてしまう可能性があります。
センタードリルが抜けそうな時には、押し当てる力を緩めると、刃が衝突しなくなります。
最初はセンタードリルが抜ける感覚が分からないと思いますが、使い慣れてくると感覚で分かるようになります。
④ 被削材の面に対し垂直に穴あけする。
穴あけする時に、どうしても左右のどちからに傾いてしまいます。
刃のあたり具合をよく見て垂直にあてるように心掛けてください。
上記、4つの事に注意しながら作業されてくださいね。
■ あると便利なもの
金属に穴をあける時に便利なのがカッティングペーストです。
刃先に少量塗布するだけで、切れ味がよくなり、ドリルが焼けてしまう事も防止ででます。
特にステンレスに使用すると効果的です。
・ ペーストタイプ
チューブに入っている時はペースト状ですが、ドリルで使用する時には、ドリルが回転する熱で液状ヘと変化します。
使用する場合には、ドリル等の回転を停止させてから塗布するようにしてくださいね。
鉄工ドリル、ステップドリル、フリードリル等に最適
・ スプレータイプ
スプレー缶の中に入ったタイプです。
スプレー缶ですので、ドリルを回転させたまま塗布する事も可能になっています。
・ カッティングペーストの塗り方
上記、写真のように、直にドリルに塗布して使用するか、穴をあけたい場所に直接塗布し使用する場合の2パターンがあります。
DENSANのカッティングペーストでは、写真のようにドリルに直接塗布する方法なっています。
カッティングペーストは、刃先を守り、穴があけやすくするための材料なので、直接塗った方が効果的なのかも知れませんね。
私のオススメ工具
■ ホールソー
■ カッティングペースト
まとめ
今回はホールソーを紹介しました。
大きな穴があけられる工具です。
φ12mm~φ180mmまで沢山の種類があります。
ツバなしのバイメタルホールソー
ツバありの超硬刃やハイスピード鋼等があります。
検討してみてはいかがでしょうか。
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・ ドリルに関する記事はこちら
ドリルの種類と使い方! 穴を開ける時に便利
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