こんにちは、長島です。
今回は『穴あけ工具』を紹介します。
穴あけ工具と聞いて想像するのは、ドリルではないでしょうか。
しかし今回紹介するのは、ドリルではなく、切粉が出ないノックアウトパンチみたいな工具です。
穴あけ工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
穴あけ工具とは
スタッド(軽量間仕切り)やMバー(天井下地材)に、穴を開ける工具です。
主に電気工事の方が使用している工具だと思います。
ドリルとは違い切粉がでないので、安全に作業する事ができます。
天井下地にドリルで穴をあけると、切粉が飛び散り目に入ります。
ゴーグルみたいな保護メガネを使用している場合には、切粉が入らないと思いますが、普通のメガネだと入るので、とても危険です。
私はメガネをしていますが、気を付けて作業してもどうしても目に入ります。
穴あけ工具だと切粉がでないので、安全ですよ。
油圧工具みたいに圧縮して穴をあけますが、数十回・数百回と穴をあけると刃の切れが悪くなります。
各工具の種類ごとに、替刃や替ポンチ等が準備されているので、切れが悪くなったと感じた時に刃の交換が可能ですよ。
穴あけ工具の種類と使い方
■ メーカー
・ NEGUROSU(ネグロス電工株式会社)
他にもあると思いますが、穴あけ工具を販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 穴あけ工具種類
▪ 軽天下地用
・ Mバー用
・ Cチャン用
・ スタッド用(C型タイプ)
・ スタッド用(角間柱用)
・ 振れ止めチャンネル切り欠き用
▪ その他
・ デッキプレート用
・ ダクター用
・ ケーブルラック用
・ ルーパーバンド用
上記のような種類があります。
ドリルも穴あけ工具の種類だと思いますが、ドリルは省いています。
穴あけ工具は主に軽天下地等で使用する事が多いのですが、その他にもデッキプレート、ダクター、ケーブルラック、ルーパーバンド用があります。
使用する材料やサイズによって工具の種類が変わってきます。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(Mバー用 φ13) MAKMHS
Mバーに穴を開ける時に使用する穴あけ工具です。
・ φ13mm - シングルバー・ダブルバーの両方に穴があけられる。
・ φ22mm - ダブルバーのみ穴があけられる。
上記、2種類があります。
▪ 使い方
① Mバーに入れる。
ハンドルを開いてMバーの溝に入れます。
② 穴をあける。
ハンドルを閉じて穴をあけます。
※ ボルトを通した時
※ 電線を通した時
以上、Mバー用の使い方でした。
Φ13mmは、照明器具用のズンギリボルトや電線の引きだし用に使用します。
Φ22mmは、電線の引きだし用に使用します。
Φ22mmでもズンギリボルトで使用する事もできますが、開口が大きいので取付ける中心からズレてしまう事があります。
器具が大きくて調整できる場合には、利用する事も可能ですが、あまりオススできません。
Φ13mmもφ22mmも電線を引きだす場合には、使用できます。
その際は専用のブッシングが必要です。
専用のブッシングを付けないと、電線にキズが入り絶縁が悪くなることもあります。
電線を引きだす場合には、必ずブッシングを利用するようにしてくださいね。
穴をあけたサイズに合うブッシングを使用してくださいね。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(ズンギリボルト用) MAKBR
スタッドにズンギリボルト用の穴を開ける時に使用します。
▪ 使い方
① スタッドに取付ける。
ハンドルを開くと、先端が開きます。
先端が長い方が、スタッドの中に入るように取付けます。
先端が長い方を先に入れないとスタッドの中に入りません。
② 穴をあける。
ハンドルを閉じると先端が閉まり穴があきます。
③ スタッドにボルトを固定する。
スタッドにボルトを固定する時には、下記のようにスタッドにボルトを通します。
片側だけ穴をあけて固定するとボックスがグラグラするので不安定です。
必ずボルトを通すようにしてください。
以上、ズンギリボルト用の使い方でした。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(軽量間柱用) MAKC25A
スタッドに電線や配管用が通る穴をあける工具です。
▪ 使い方
① 先端を広げる。
可動側のハンドルを手前に引くと先端が開きます。
② スタッドに取付ける。
先端が短い方を手前に引き、スタッドに引っかけるようなイメージで取付けます。
先端が長い方が、スタッドの中に入るように取付けます。
先端が長い方を先に入れないとスタッドの中に入りません。
③ 穴をあける。
ハンドルを開くと先端が閉まり穴があきます。
④ 工具を取除く。
取付けた要領で穴あけ工具を取除きます。
⑤ 空いた状態
このように穴が開きます。
穴があいた後に、PF管や金属管を通して配管します。
以上、軽量間柱用の使い方でした。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(角間柱用) MAKKM
スタッドの種類にC型になっているタイプと四角になっているタイプの2種類があります。
この工具は四角になっているスタッド用の穴あけ工具です。
▪ 使い方1
① ハンドルを開く。
ハンドルを開くと先端が開きます。
② スタッドにあてる。
穴を開けたい場所に、穴あけ工具をあてます。
③ 穴をあける。
ハンドルを閉じると先端が閉じ穴があきます。
④ 穴あけ工具を取除く。
ハンドルを開くと先端が開くので、穴あけ工具が取除けます。
以上、角間柱用の使い方でした。
ドリルで穴をあける場合には、2ヶ所の穴をあけなければなりませんが、穴あけ工具を利用する事で、1回の使用で2ヶ所の穴があける事ができますよ。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(軽量間柱振れ止めチャンネル切り欠き用) MAKCK32
スタッドの振れ止め防止用チャンネルを切り欠く工具です。
C型タイプのスタッドの場合、必ず振れ止め用のチャンネルが入っています。
何故チャンネルが入っているのかと言うと、スタッドの倒れも防止する役名もありますが、スタッドが潰れないようにする為です。
C型のスタッドの場合、Cの先端が閉じますよね。
石膏ボードを軽天ビスで固定する時に、C型の先端が閉じてしまうと、軽天ビスが取付けられません。
後ろの逃げてしまいます。
スタッドにチェンネルが取付けてあると、軽天ビスをねじ込む時に逃げなくなりますよ。
因みに角型のスタッドの場合には、チャンネルが入っていません。
4面とも穴があいていないので、チャンネルを通す場所がないので、不要になっています。
そもそもなんでチャンネルに穴をあけるの?と思っている方もいらっしゃるのでないでしょうか。
なぜかと言うと、スタッドの間にPF管や金属管を配管する時に、チャンネルとスタッドの表面との隙間が少ないからです。
スタッド表面には石膏ボードが貼られるので、チャンネルと石膏ボードの隙間がないと、石膏ボードが貼られません。
PF管や金属管が配管できるようにチャンネルを切り欠く必要があります。
▪ 使い方
① ハンドルを開く。
ハンドルを開くと先端も開きます。
② チェンネルにあてる。
切り欠きたい場所に穴あけ工具をあてます。
③ 穴をあける。
ハンドルを閉じると先端も閉じます。
③ 配管する。
切り欠いた場所に配管して固定します。
チャンネルを切り欠いた時は下のようになります。
以上、軽量間柱振れ止めチャンネル切り欠き用の使い方でした。
▪ 注意する事
チャンネルは全て切り欠かないようにしてくださいね。
全て切り欠いてしまうと壁が弱くなってしまいます。
必ず一辺は残すようにしてくださいね。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(デッキプレート用) MAKH1
デッキプレートに穴をあける時に使用する工具です。
ドリルで穴をあけると、切りカスや切粉が出てしまいます。
いくら掃除をしても、どうしても残ってしまいます。
その時に便利なのが、穴あけ工具のデッキプレート用です。
デッキプレート用は先端が尖っているので、スライドハンマーの重さで叩き広げます。
なので、切りカスや切粉が出る事がありません。
▪ 使い方
① ポンチを取付ける。
スパナで確実に固定してください。
使う前には増し締めした方がよいと思います。
② スライドハンマー用固定用ねじを緩める。
使用しない時は、固定用ねじで固定されていると思います。
使用する時には、取除いてください。
付けたままにしておくと、ねじが紛失してしまう恐れがあります。
最初から外しておいた方が無難ですよ。
③ 穴をあける。
穴をあけたい場所にポンチの先端をあて、スライドハンマーを下に落とします。
デッキプレート用の穴あけ工具は、スライドハンマーの重みで穴をあけられます。
使い慣れている方は、勢いをつけて下に叩きつけていますよ。
ポンチの根元まで入れてください。
④ 本体を抜きます。
少し硬い場合には、スライドハンマーを打つ時とは逆に、下から上に突き上げてください。
抜けやすいと思いますよ。
以上、デッキプレート用の使い方でした。
デッキプレート用を利用する事で、切粉がでないので掃除する必要がありませんよ。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(ダクター用) MAKD
ダクターやレースウェイの部材である、D1、D2、D3の穴があけられる工具です。
▪ 使い方
① ダクターに印を付ける。
任意の寸法で印を付けます。
② ダクターを取付ける。
ハンドルを開くと、ポンチ部分が開きます。
その部分にダクターをスライドさせて取付けます。
② 穴をあける。
開いたハンドルを閉じると穴があきます。
少し硬いと思いますが、両手でしっかりと持ち、ハンドルを下に下ろしてください。
以上、ダクター用の使い方でした。
スチール製だと比較的簡単に穴があけられますが、ステンレス製だと少し硬いです。
ハンドルを両手で持ち、力を入れて下に下げてくださいね。
▪ ワンポイントアドバイス
・ 突き当てゲージ
ダクター用の穴あけ工具には、突き当てゲージが付いています。
突き当てゲージを利用する事で、同じ寸法で穴をあける場合には、便利だと思います。
便利な機能は、利用してくださいね。
■ NEGUROSU 穴あけ工具(ケーブルラック用) MAKRDP
ケーブルラック用のジョイントの穴があけられる工具です。
テナントや大きな商業施設では、幹線として太くて重いケーブルを使用しています。
その幹線をのせる架台として、ケーブルラックがあります。
ケーブルラックの両端には、ジョイント用の穴があいていますが、ケーブルラックを切断すると、ジョイント用の穴をあけなければなりません。
その時に便利なのが、穴あけ工具のケーブルラック用です。
▪ 使い方
① Hゲージを取付ける。
ケーブルラックのサイズに合った部分に、ゲージを取付けます。
② Lゲージを取付ける。
ケーブルラックの1個目の場所に合った部分に、ゲージを取付けます。
③ 穴あけ工具(ケーブルラック用)を取付ける。
ハンドルを開いて、本体をスライドさせて取付けます。
④ 穴をあける。
ハンドルを閉じると穴があきます。
⑤ 2個目の穴に合わせる。
本体を外し、2個目の穴にゲージを付け替えます。
⑥ 穴をあける。
1個目と同様にゲージがあたるまで入れて、穴をあけます。
以上、ケーブルラック用の使い方でした。
ケーブルラックを直に床に置いて使用するのは、ダメみたいです。
必ず床から10mm程度離して使用するようにしてください。
本体が床にあたり、正確に穴があけられないみたいですよ。
穴あけ工具のメリット・デメリット
ドリルで穴を開けた時と比べてみました。
■ メリット
・ 安全。
ドリルでMバーに穴を開けた時には切粉が出ます。
その切粉が目に入る事がよくあるのですが、穴あけ工具で穴をあけると切粉が出ません。
とても安全に作業する事ができますよ。
・ 作業が早い。
電動工具の準備がいらないのでスピーディーに作業する事が可能です。
電源を必要としないので、電源の準備も必要ありません。
■ デメリット
・ 重い。
軽い工具もありますが、ケーブルラック用の穴あけ工具は6.5kgもあります。
少し重いです。
・ 持ち歩く工具が多くなる。
軽量間仕切りで使用する場合だと、
軽量間柱穴あけ(ズンギリボルト用)
軽量間柱穴あけ(配管用)
軽量間柱振れ止めチャンネル切り欠き
上記、3種類があると便利です。
工具が3つも増えると移動が大変だと思うので、台車等を利用すると簡単だと思います。
私のオススメ工具
■ デッキプレート用
メーカー | 品名 | 型番 |
NEGUROSU | デッキプレート穴あけ工具 | MAKHL |
NEGUROSU | デッキプレート穴あけ工具 替ポンチ | MAKHL-9 |
NEGUROSU | デッキプレート穴あけ工具 替ポンチ | MAKHL-12 |
■ Mバー用
■ 軽量間柱振れ止めチャンネル切り欠き用
■ 軽量間柱用
メーカー | 品名 | 型番 | タイプ |
NEGUROSU | 軽量間柱穴あけ工具 | MAKBR | 軽量間柱用 |
■ ダクター用
■ ケーブルラック・金属ダクト用
まとめ
今回は穴あけ工具を紹介しました。
電源が不要の穴あけ工具です。
切粉が出ないので安全に作業する事ができます。
軽量間仕切りに使用するタイプが多いですが、その他にもダクターやケーブルラック用などがあります。
各工具の種類ごとに、替刃、替金型、替パンチ、替ダイが用意されているので、刃の切れが悪くなったと感じたら刃だけ交換する事が可能ですよ。
作業スピードが格段にあがり安全に作業できるのでオススメです。
テナントや商業施設等で作業される方には、使用頻度が高いと思いますので、検討してみてはいかがでしょうか。
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