こんにちは、長島です。
今回は『コーキングガン』を紹介します。
目地にコーキング剤を塗布する工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
コーキングガンとは
シリコンコーキングや変成シリコンコーキングなど、コーキング剤と呼ばれるシール剤を塗布する工具です。
コーキング剤は、目地と呼ばれる継ぎ目をふさぐ資材です。
最近では色々な機能が搭載されたコーキングガンが販売されています。
コーキングガンにこだわっている方には、いろいろな機能が搭載してコーキングガンが良いと思います。
しかし、私みたいにコーキングガンにこだわっていない方には、ホームセンター等に売られている安価なコーキングガンでも十分だと思います。
コーキングガンの種類
■ メーカー
・ FUJIYA(フジ矢株式会社)
・ KTC(京都機械工具株式会社)
・ Makita(株式会社マキタ)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
・ SANKO(サンコーテクノ株式会社)
・ TAJIMA(株式会社TJMデザイン)
・ Yamamoto(山本製作所)
他にも沢山あると思いますが、コーキングガンを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 種類
・ 手動式
・ 充電式
一般的に多いのは手動式です。
最近では、充電式のタイプも販売されています。
手動式は、ハンドルを握ると、プッシュロッドが動きコーキングを押し出すので、コーキング剤が山なりになってしまいます。
しかし、充電式はトリガーを引いた時にコーキング剤が出続けるので、山なりになりにくい特徴があります。
下記、写真はTAJIMAのカタログに記載してあったものです。
充電式タイプは写真のように、山谷ができなくなっています。
コンボイエレキテルと記載している方が充電式タイプで塗布した方です。
出典元:株式会社TJMデザイン
手動式のコーキングガン
■ コーキングガンの種類
・ 330ml用
・ 760ml用
・ 900ml用
カートリッジのサイズに合わせて選んでください。
私が持っているのは、330mlのタイプです。
私の周辺でも330mlタイプを使用されている方が多いです。
小さいサイズのコーキングガンで、大きなサイズのコーキング剤をセットする事は出来ませんが、大きなサイズのコーキングガンには、小さいサイズのコーキング剤はセットする事は可能です。
使用したいコーキング剤のサイズに合わせてコーキングガンを選んでくださいね。
■ 材質
▪ 筒部・グリップ部
・ 金属製
・ 樹脂製
金属製が種類も豊富ですが、樹脂製も販売しています。
■ 押出量
・ 4mm~12mm
ワンプッシュあたりで押し出される量です。
ハンドルを握るとコーキング剤が押され出てきます。
スピーディーに作業をされたい方は、押出量が多い方が便利ですよ。
■ 重さ
・ 315g~1100g
コーキング剤を取付けられるサイズと筒の材質によって変わります。
330mlタイプで樹脂製の筒が軽く、900mlタイプで金属製の筒だと重くなります。
■ 便利な機能
▪ 液だれ防止機能
これはいいなぁ~と思う機能があります。
それは液だれ防止機構です。
コーキングガンを使用された事のある人ならご存知だと思いますが、コーキング剤を塗布する作業が終わると、先端からコーキング剤がタラーっと垂れてきます。
原因は、内部に圧力がかかっているからです。
プッシュロッドの送り板を緩め圧力を抜く事で、液が垂れるのを防止しています。
液だれ防止機能がないと、プッシュロッドを緩める作業が必要になります。
これってとても面倒ですよね。
液だれ防止機能があると、この面倒な作業が不要になります。
▪ 液だれ防止とは
出典元:株式会社TJMデザイン
1ストローク握り切った後に、プッシュロッドが自動的に数ミリ戻りコーキング剤への加圧を開放、液だれを防止します。
従来のカートリッジ内圧により液だれを防いでいた機構とは異なり、確実に液だれを防止します。
私はTAJIMAのコーキングガンを使用した事がないので分かりませんが、もし本当に液だれを防止できるなら、とても便利だと思います。
コーキングガンを検討されている方は、液だれ防止機能が搭載しているコーキングガンを選んでくださいね。
充電式のコーキングガン
最近では、充電式のコーキングガンが販売されています。
■ 電圧
・ 7.2V ー TAJIMA
・ 10.8V - Makita
・ 14.4V - Makita
・ 18Ⅴ - Makita
上記、4種類があります。
充電式工具をお持ちの方は、現在お持ちの充電式工具の電圧と合わせた方が、メリットがあると思います。
各社とも本体のみの販売をしているので、本体のみの購入が安価で済むと思います。
■ 使用できるコーキング剤のサイズ
・ 300ml
・ 600ml
・ 800ml
TAJIMAは、300mlタイプのコーキング剤のみ使用可能です。
Makitaは、上記3種類のコーキング剤に使用できます。
ただし、300ml以外のコーキング剤を使用したい場合は、オプションにて筒のセットを別途購入しないと使用できません。
筒のセットだけでも1万円もしますので、よく検討されてくださいね。
■ 重さ
・ 1.3kg~2.3kg
バッテリーサイズによって重量が変わります。
7.2Vタイプが軽く、18Vタイプが重くなっています。
■ 塗布できる本数(シリコンの場合)
・ 70本~500本
1充電時あたりの本数です。
バッテリー容量によって、かなり違ってきますね。
電圧が高く、容量も大きい方が、充填できる本数が多くなります。
■ 押出速度
・ 0mm/秒~28mm/秒
押出速度は、一秒間にコーキング剤を押出すスピードの事です。
押出速度は、ダイヤル変速になっているので、お好みの速度に調整可能です。
慣れていない方はゆっくりと、熟練された方はスピーディーに塗布する事が可能です。
コーキング剤の種類
参考までに、コーキング剤について記載しています。
■ コーキング剤のタイプ
・ カートリッジ型
良く利用されているのはカートリッジ型です。
少量を使用する方はカートリッジタイプが経済的だと思います。
・ ソーセージ型
私はソーセージ型を見た事がありません。
知らない方も多いのではないでしょうか。
使用されている頻度は少ないと思います。
・ 吸込み式
吸込み式は、コーキングを専門でされているコーキング屋さんが使用しています。
A剤とB剤を混ぜて使用するタイプなので、専門的にされている方しか使用していません。
上記、3種類があります。
カートリッジ型が使用頻度も高く、使いやすいと思います。
コーキング剤を選ぶ時には、カートリッジ型がオススメです。
■ コーキング剤の容量(カートリッジタイプの場合)
・ 330ml
・ 760ml
・ 900ml
コーキング剤の容量は、メーカーやコーキング剤の種類によって多少の違いがあります。
コーキング剤の容量は、330mlが多いです。
コーキング剤を普段使用しない方は、330mlの方が良いと思います。
760mlや900mlの大きなサイズは、コーキング剤を頻繁に使用する方に向いているサイズだと思います。
コーキング剤は長く使用しないと固まってしまうので、使いたい時に使えない場合があるので、頻繁に使用しない方は小さいタイプのコーキング剤を選ぶようにしてくださいね。
■ コーキング剤の種類
・ アクリルコーク
・ ウレタンコーク
・ シリコンコーク
・ 変性シリコン
・ ポリウレタン系コーキング
上記、5種類があります。
・ アクリルコーク
アクリルコークは水性系で非常に作業がしやすいコーキング剤です。
湿った場所でも施工は出来るのですが、硬化した際に肉痩せしやすく、耐久性が低いのが難点といえます。
陽が当たる場所では大体10年もすればヒビ割れてきてしまうと言われているほどで、リフォームの際にあえて使う人はほとんどいません。
また塗装が可能で、ノンブリードタイプなら汚染しにくくなっています。・ ウレタンコーク
ウレタンコークは外壁の塗替えの際に使用することが多いです。硬化するとゴムのような弾力性があるために耐久性が高く、コンクリートのヒビ割れ補修などにも使用します。
また材料との弾力性や密着性が高いというメリットがありますが、紫外線に弱いため、上から必ず塗装する必要があります。
・ シリコンコーク
コーキング剤の中で最もメジャーなのが「シリコンコーク」です。価格は非常に安く、耐候性・耐久性・耐水性・耐熱性の全てが非常に優れているため、屋内外問わずに様々な場所で使用できるコーキング剤です。
しかし、上から塗装をしてもすぐに塗料が剥がれてしまうため、後から塗装をする必要があるような外壁には使用することが出来ません。
そのため主に仕上げとして使い、カラーの種類は幅広いので用途は非常に多岐にわたります。
・ 変性シリコン
変成シリコンは上からの塗装が可能で、カラーもシリコンコークと同じく多くの種類があり、塗装をしなくても十分な耐久性があるコーキング剤です。とても優秀なコーキング剤ではありますが、他のコーキング剤に比べて値段が少し高いです。
・ ポリウレタン系コーキング
耐候性能が非常に高く、暴露条件に強いです。また、「ノンブリード」タイプで施行後も安心で、塗料付着性が良く、塗装下地にも最適とされます。
押し出しなど、作業性にも配慮されていて、幅広目地にも対応できる優れた形状保持性を有するため、各種土木目地にも最適です。柔軟性を長期に亘って維持し、抜群の防水性能を発揮します。
耐久性が非常に強く、切れにくいのも特徴です。
出典元:株式会社ヨネヤ
コーキングガンのメリット・デメリット
手動式と充電式を比べてみました。
■ 手動式
▪ メリット
・ 安価
手動式は安いです。
ホームセンターには数百円で販売しているタイプもあります。
・ 壊れにくい。
機械式の工具なので、壊れる事は滅多にありません。
脚立の上から落下させても壊れませんよ。
▪ デメリット
・ 山谷ができる。
コーキング剤を塗布する時に山谷ができてしまう。
手動式はハンドルを握るとコーキング剤が出て山になり、握り終わると谷ができます。
しかし塗布するコツが分かると、谷ができる部分が少なくなってくると思いますよ。
■ 充電式
▪ メリット
・ 山谷ができない。
一定のスピードで塗布する事ができるので、山ができません。
スピーディーに作業されたい方にはオススメです。
▪ デメリット
・ 高価。
充電式タイプは高いです。
安価なタイプでも、本体のみでも定価が2万円を超えてしまいます。
ちょっと高いですよね。
・ 壊れやすい。
充電式工具なので、脚立の上から落下させると破損する恐れがあります。
落下させないように注意してくださいね。
コーキングガンの使い方
■ コーキング剤を塗布する手順(手動式の場合)
① 目地の両サイドにマスキングテープを貼る。
コーキング剤を塗布したい場所にマスキングテープを貼ります。
② コーキング剤のノズルを斜めにカットする。
コーキング剤を薄く塗布したい場合は、短くカットします。
厚く塗布したい場合は、長くカットします。
マスキングテープを貼った幅に合わせてカットしてください。
③ ノズルを一旦外し内側のテープに切れ込みを入れる。
コーキング剤の内側に膜が貼ってあります。
その膜を破らないとコーキング剤が出てきません。
④ ノズルを取付ける。
膜を破った後、再度ノズルを取付けます。
⑤ コーキング剤をコーキングガンに取付ける。
ロックを解除してプッシュロッドを最大まで引っ張り出します。
プッシュロッドを引っ張り出さないとコーキング剤がコーキングガンに取付けられませんよ。
⑥ コーキング剤をノズルの先端まで押す。
ハンドルを握るとプッシュロッドがコーキング剤を押し出し、コーキング剤が出てきます。
最初はノズルが空の状態なので、ハンドルを数回握らないと、ノズルの先端まで充填されません。
コーキング剤を先端まで、押し込んでください。
⑦ コーキング剤を塗布する。
斜めにカットしたノズルの先端が、塗布したい場所にあたるように角度を決めます。
ハンドルを握り、コーキング剤を塗布します。
右利きなら、右手でコーキングガンを持つと思うので、上から下へ、左から右へ塗布します。
ハンドルを握った分だけコーキング剤が出てきます。
⑦ ヘラを選ぶ。
ヘラのサイズは、両サイドのマスキングテープ幅に合ったサイズを選んでくださいね。
小さすぎても大きすぎても、仕上がりが悪くなります。
マスキングテープの幅に合ったヘラを選ぶ事で、綺麗に仕上がりますよ。
⑧ ヘラでコーキング剤を整える。
ヘラをあてる時は、進む方向へ少し傾けて使用ください。
ヘラを傾ける事で綺麗に仕上がると思います。
コーキング剤がヘラに沢山付いた場合は、都度取り除いてください。
コーキング剤を取り除かないと、綺麗に仕上がらないし、服についてしまう場合もあります。
⑨ マスキングテープを外す。
マスキングテープを剥がす時は、使いきったコーキング剤や棒を利用して剥がします。
マスキングテープの先端を棒に貼り、外側に引っ張るとマスキングテープが剥がれてきます。
剥がれたマスキングテープを棒にクルリと巻き付けながらマスキングテープを剥がします。
以上、コーキング剤を塗布する手順でした。
コーキング剤を塗布する時は、塗布したくない場所をマスキングテープする事で、綺麗に仕上がります。
ビニルテープでも代用する事も可能ですが、ビニルテープはくっつきにくくテープが伸びるのでオススメできません。
必ずマスキングテープを使うようにしてくださいね。
コーキング剤を塗布した後は、必ずヘラで仕上げてください。
コーキング剤を塗布しただけでは、綺麗に仕上がりません。
コーキング剤をヘラで均す事で、綺麗な仕上がりになります。
注意
コーキング剤を塗布した場所を触らないようにしましょう!
コーキング剤は季節にもよりますが、半日くらいで固まります。
乾くまでは触らないように注意しましょうね。
私のオススメ工具
■ 手動式
TAJIMA | コンボイVS | CNV-VS |
TAJIMA | コンボイV | CNV-V |
■ 充電式
まとめ
今回はコーキングガンを紹介しました。
手動式と充電式の2種類がありますが、一般的使用されているのは手動式です。
充電式も販売されていますが、セット品を購入すると、6万円を超えるので、充電式を購入する時には十分に検討されてくださいね。
コーキング剤を塗布する時には、必要な工具です。
検討してみてはいかがでしょうか。
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