こんにちは、長島です。
今回は『パイプレンチ』を紹介します。
ネジ付きの金属配管を締付ける工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
パイプレンチとは
パイレンとも呼ばれる、金属配管を回転させる工具です。
水道管やスプリンクラーの配管は、ネジがある配管を使用しています。
その配管を回転させる工具です。
パイプレンチが正式名称ですが、パイレンと呼ぶ方が一般的です。
設備工事をされている方が、主に使用されている工具です。
私は電気工事をしているので、今は使用していませんが、工場の保守をしていた頃は頻繁に使用していましたよ。
手回しでも回転させられると思っている方も多いかと思いますが、手回しでは堅固に締め付ける事はできません。
必ずパイレンを使用してくださいね。
パイプレンチの種類
■ メーカー
・ ARM(株式会社アーム産業)
・ GISUKE(株式会社高儀)
・ KTC(京都機械工具株式会社)
・ LOBSTER(株式会社ロブテックス)
・ M&M(株式会社高儀)
・ MCC(株式会社松坂鉄工所)
・ SEK-TOOLS(スエカゲツール株式会社)
・ SK-11(藤原産業株式会社)
・ TOP TOOL(トップ工業株式会社)
・ TRUSCO(トラスコ中山株式会社)
他にも沢山あると思いますが、パイプレンチを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ パイプレンチの種類
① パイプレンチ(強力型)
一般的なパイプレンチです。
② アルミパイプレンチ
軽量タイプのパイプレンチです。
持ち手部分がアルミ製になっているので、一般的なパイプレンチよりも約30%程度軽くなっています。
③ コーナーレンチ
パイプレンチでは作業できない接地配管・隣接配管に適していています。
本体部分がアルミ製になっているので、軽量タイプになっています。
④ モーターレンチ
円滑な口幅調整ができ最大70mmまで可能です。
熱処理を施していない為、くわえ部はメッキ品や銅、真鍮等の軟質ナットを傷つけず、締めつけるのに最適です。
最初は一般的なパイプレンチを購入して、後は必要に応じて検討してみてはいかがでしょうか。
■ 長さ
・ 150mm~1200mm
長さは150mm~1200mmまであります。
大(900mm)・中(350mm)の2タイプあればほとんどのパイプを取扱う事が出来ると思います。
■ 重さ
・ 185g~10700g
長さが150mmのタイプで185gしかありませんが、1200mmもあるタイプでは、10kgを越えるタイプもあります。
サイズが長くなればなるほど重くなります。
■ パイプレンチの長さと配管サイズ
長さ | 配管サイズ |
150 | 6~27(20A) |
200 | 6~34(25A) |
250 | 6~43(32A) |
300 | 6~49(40A) |
350 | 10~61(50A) |
450 | 15~76(65A) |
600 | 20~89(80A) |
900 | 25~114(100A) |
1200 | 50~140(120A) |
参考までに配管サイズを記載しておきます。
全てのパイプレンチに適合しないと思いますが、目安にはなると思います。
パイプレンチのメリット・デメリット
ウォーターポンププライヤと比べてみました。
■ メリット
・ 配管のサイズに合ったパイプレンチがある。
配管のサイズは20A~120Aまでありますが、パイプレンチも配管のサイズに合ったタイプがあります。
・ 大きなサイズも使用できる。
ウォーターポンププライヤは最大幅で、58mmまでです。
配管のサイズで言えば、40Aまでしか使用できません。
・ 力が入れやすい。
パイプレンチの回転方向は1方向だけです。
配管にあてるだけなので両手で回転させられます。
■ デメリット
・ 狭い場所では扱いづらい
パイプレンチの強力型は、配管の横にあてて使用するので狭い場所では扱いにくいです。
そのような場所では、コーナーレンチが便利です。
・ 配管に傷が入りやすい。
パイプレンチで締付けると、配管に傷が入ります。
配管に傷が入るとサビやすくなるので、パイプレンチで咥えた場所はローバル等のさび止めを塗ってください。
パイプレンチの使い方
■ 水道管を配管する場合
一本目の配管を配管A、二本目の配管を配管Bとします。
① 配管Aの両端のネジ部(オス側)シールテープを巻く。
シールテープは配管Aを正面に見た状態で、右回り(時計回り)に巻きます。
巻く回数は6~7巻きが良いと言われています。
② 配管Aにソケットを取付ける。
手回しで回せるだけ回してください。
パイプレンチで締付ける必要はありません。
③ 配管Aを固定する。
吊り金具に配管Aを固定します。
④ 配管Bの片側にソケットを仮止めする。
ネジ山にソケットを仮止めすると、ネジ山が潰れないように予防ができます。
⑤ 配管Bのもう片側のネジ山にシールテープを巻く。
先程と同様にシールテープを巻きます。
⑥ 配管Bを配管Aに連結させる。
1人で取付ける場合は配管の中央を持ち、配管Aにネジ込みます。
2人で取付ける場合は、先端と後方を持ち、先端側の人が配管Aと配管Bとの結合部を確認しながらねじ込みます。
⑦ 配管Aにパイプレンチを取付ける。
配管Aが回転しないようにパイプレンチで固定します。
⑧ 配管Bにもパイプレンチを取付けて回転させる。
時計方向に回転させると締め付けられます。
以上、パイプレンチの使い方でした。
▪ ワンポイントアドバイス
先程も言いましたが、ネジ付きの配管を取り回す時にはネジ山が潰れないように、ソケットを仮止めしておくと、ネジ山が潰れません。
1本物の配管は4mもあるので、配管を取り回す時に、床に配管があたりネジ山が潰れてしまう事があります。
ネジ山が潰れるとソケットが入らなくなってしまいます。
最悪の場合、ねじ切り機でネジ山を切り直さないといけない場合も考えられます。
手間だと思われるかも知れませんが、このひと手間をする事で、ネジが潰れなくできるので、長物の金属配管を扱う場合は、ソケットを仮付けする事をオススメします。
電気工事でもネジ山があるパイプを配管する事があります。
私もネジ付きの金属配管をする時は、ソケットを付けるようにしています。
私のオススメ工具
まとめ
今回はパイプレンチを紹介しました。
ネジ付きの配管を回転させる時には便利な工具です。
金属配管を確実に締付けたい場合には、パイプレンチを使用してくださいね。
水道配管やスプリンクラー配管等の水を通す配管には、パイプレンチを使用して確実に締付け手てくださいね。
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