こんにちは、長島です。
今回は『より戻し』を紹介します。
ケーブルラックに配線する時に使用する工具です。
ケーブル同士がヨレたり絡んだりしない為に使用しています。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
より戻しとは
ケーブルがヨレたり絡んだりしないようにする工具です。
ケーブルラックにケーブルを配線したり、大きいサイズの配管に幹線ケーブルを入線する時に使用しています。
ケーブルを数本同時に配線するとヨレたり絡んだりする事があります。
ロープとケーブルグリップの間により戻しを取付ける事で、ヨレたり絡んだりしないようになります。
ケーブルラックに配線が終わった後には、一本づつ固定するのですが、ケーブル同士がヨレたり絡んだりしていると、固定するのに時間がかかります。
絡んでいるケーブルを解きながら固定するのはとても面倒なので、絡まないように配線する為には、より戻しが必要です。
■ より戻しの必要性
直接ロープに接続して引っ張ると、ケーブルも一緒にクルクルとねじれてしまいます。
そのねじれを防止する為に、ロープとケーブルクリップの間により戻しを装着します。
いくらロープがねじれていても、より戻しがねじれをケーブルまで伝わらないようになっているので、ケーブルが真っ直ぐになるように配線できます。
ケーブルラック上の配線には装着する事をオススメします。
安価な工具ではないですが、とても便利だと思います。
より戻しの種類
■ メーカー
・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
他にも沢山あると思いますが、より戻しを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 固定方法
・ シャックル固定式
より戻しは、ロープとケーブルグリップの間に付けて使用します。
固定は簡単で、シャックルタイプになっているので、マイナスドライバーでシャフトを緩めて外します。
外したシャフトの間にロープを入れて、マイナスドライバーで締付けて固定します。
シャフトは表に出ない構造になっているので、引っ掛からないようになっています。
■ サイズ
・ 長さ
29mm~112mm
・ 外径
φ10mm~φ34mm
・ 溝幅
5mm~18mm
・ 重さ
9.4g~460g
より戻しは大きな物はありません。
比較的小さいめの工具です。
■ ロープのサイズ
より戻しを使用する時には、使用するロープのサイズが関係してきます。
幹線ケーブルを配線する時は、少し太めのロープを使用します。
重いケーブルを引っ張るので、それに耐えられるロープのサイズが必要になる為です。
ロープのサイズは6mm~18mmまであります。
このサイズは一般的なロープのサイズです。
造船所では直径が100mm以上もある、太いロープを使用している場所もあります。
船を固定しているロープです。
100mm以上のロープを使用している場所は稀で、通常は18mm以下のロープを使用するほうが多いです。
私は電気工事をしているので、ケーブルを引っ張る時は、10mmか12mmを利用しています。
大きいサイズのケーブルの時は、14mmのロープが便利な時もあります。
より戻しも、使用するロープのサイズに合ったタイプを選ぶ事が必要です。
ロープに取付ける寸法は、溝幅になりますので、ロープのサイズに合った溝幅を選ぶようにしてくださいね。
より戻しのメリット・デメリット
より戻しを使わなかった場合と比べてみました。
■ メリット
・ ケーブルが絡みにくい。
ケーブルラックにケーブルを配線する時は、ロープを通してから、そのロープにケーブルを付けて配線します。
配線したロープを引っ張るとロープのヨレが原因でロープがクルクルと回転します。
その回転する事でケーブルも回転してしまいます。
一本で配線する場合は問題ありませんが、小さめのケーブルを数本同時に引っ張ると、クルクルと回転するのでケーブル同士が絡んでしまいます。
より戻しを取付ける事で、ロープがクルクルと回転するのをより戻しが吸収してケーブルまで伝わらないようになっています。
■ デメリット
・ デメリットは特にありません。
より戻しはとても便利な工具なので、ケーブルラック等の配線には使用してくださいね。
より戻しの使い方
■ より戻しを利用してケーブルラックにケーブルを配線する手順
① ケーブルラックにロープを通す。
ケーブルラックにケーブルを配線する時は、最初にロープを通してから配線します。
ロープの先端に、ケーブルキャッチャーやVE22の配管を利用すると簡単にロープを通せると思います。
私はVE22を利用しています。
② ロープにより戻しとケーブルグリップを固定する。
ロープとケーブルクリップの間により戻しを取り付けます。
より戻しはシャックルタイプになっています。
マイナスドライバーで緩めてからロープを通し固定します。
③ ケーブルグリップに幹線ケーブルを固定する。
配線したいケーブルのサイズに合わせてケーブルグリップを選びます。
④ ケーブルグリップの末端をバインドする。
ケーブルグリップを使用する時は、抜け止め防止の為に必ずバインドするようにしてくださいね。
⑤ 幹線ケーブルを引っ張る。
以上、より戻しを利用してケーブルラックにケーブルを配線する手順でした。
より戻しは、ケーブルラック等に配線する時に使用する工具です。
より戻し単体で使用する事はありません。
ロープに固定して使用するのが多いので、ロープのサイズに合わせたより戻しを選んでくださいね。
私のオススメ工具
まとめ
今回はより戻しを紹介しました。
ケーブルラックや配管等に配線や入線をする時には便利な工具です。
ケーブルがヨレにくく真っすぐに配線できるで、細いケーブルがヨレずに配線できるので便利ですよ。
ケーブルがヨレないと後で整線する時に簡単に固定する事ができます。
ケーブルがヨレると、整線するのに時間がかかってしまいます。
とても面倒なので、ケーブルがヨレないようにより戻しを利用する事をオススメします。
検討してみてはいかがでしょうか。
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