こんにちは、長島です。
今回は『カードテスター』を紹介します。
電気工事士の方には、使用頻度の高い測定工具です。
カードテスターを選ぶ時の参考にしてくださいね。
カードテスターとは
デジタル表示で電圧測定に使用する測定工具です。
① DC(直流)電圧の測定
② AC(交流)電圧の測定
③ 抵抗の測定
④ 導通試験
上記、4つの測定ができるタイプが多いです。
電気工事士の方には必需品です。
カードテスターの種類
■ メーカー
・ A&D(株式会社エー・アンド・デイ)
・ CUSTOM(株式会社カスタム)
・ FLIR(フリアーシステムズジャパン)
・ HIOKI(日置電機株式会社)
・ HOZAN(ホーザン株式会社)
・ KYORITSU(共立電気計器株式会社)
・ MULTI(マルチ計測器株式会社)
・ SANWA(三和電気計器株式会社)
・ YOKOGAWA(横河計測株式会社)
沢山のメーカーから販売されています。
他にもあると思いますが、カードテスターを販売している代表的なメーカーを記載しています。
私の周りでは、圧倒的にHIOKIを使用している方が多いです。
私もHIOKIとSANWAのカードテスターを使用しています。
■ テスターの種類
・ アナログテスター
・ カードテスター(デジタルタイプ)
上記、2種類あります。
持ち運ぶ時には、デジタルタイプのカードテスターが便利です。
私は腰袋のサイドポケットに入れて、持ち歩いています。
■ カードテスターの主な役割
私が持っている2種類で紹介します。
① DC(直流)電圧の測定
② AC(交流)電圧の測定
③ 抵抗の測定
④ 導通試験
上記、4つの測定ができます。
プラスチックケースに収納されているので、持ち歩くのに向いていると感じます。
SANWA PM3はHIOKI 3244-60の測定以外に、2つプラスした測定ができます。
① DC(直流)電圧の測定
② AC(交流)電圧の測定
③ 抵抗の測定
④ 導通試験
⑤ 周波数の測定
⑥ ダイオードの測定
上記、6つの測定ができます。
ソフトケース収納されているので、持ち歩くには向いていない感じがします。
周波数を測定する事はほとんどありませんが、私の仕事上ダイオードの測定は頻繁に使用しています。
■ 使用時の注意点
電圧測定時は特に気を付けましょう。
テスターの先端はむき出しになっています。
電圧を測定する時は、先端の金属部分が手に触れないように気を付けてください。
感電する可能性があるので、とても危険です。
▪ 事故事例
私が体験した事故事例を紹介します。
カードテスターを使用して、分電盤で主幹ブレーカーの二次側を電圧測定していました。
主幹ブレーカーの二次側には保護カバー等があり、テスターの先端が入るスペースがあまりなかったので、赤コードと黒コードの先端が近い状態で測定しました。
気を付けていたのですが、先端同士が近かったせいもあり、ショート(短絡)させてしまい主幹ブレーカーが落ちてしましました。
カードテスターの先端同士を近づけるのはとても危険です。
先端は離した状態で測定をするよう、心がけてくださいね。
カードテスターのメリット・デメリット
アナログテスターと比べてみました。
■ メリット
・ 小さいのでポケットに収納できる。
アナログテスターと比べるとかなり小さいです。
作業着の胸ポケットに収納できますが、私は腰袋のサイドポケットいれて持ち歩いています。
・ デジタル表示で数値が読みやすい。
デジタル表示なので、数値の読み違いがありません。
抵抗を測定する場合も、読み間違いしにくいです。
■ デメリット
・ 電池が必要。
アナログテスターは電池が必要ありませんが、カードテスターはボタン電池が必要です。
バッテリーの表示がでた場合は、ボタン電池を交換してください。
・ ケースが割れやすい。
理由はわかりませんが、ケースが簡単に割れてしまいます。
私も何度割ったことかわからないくらいです。
HIOKIのカードテスターはケースだけの購入も可能です。
割れている方は、『私のオススメ工具』に記載しています。
カードテスターの使い方
SANWA PM3の場合
■ DC(直流)電圧の測定
直流電圧を500Vまで、測定できます。
① レンジをDCに合わせます。
② 赤コードをプラス側に、黒コードをマイナス側にあてます。
③ DC12・DC24Vなど、直流電圧を測定できます。
直流電源を測定する時は、赤コード(プラス側)、黒コード(マイナス側)で、測定して下さい。
反対にあてるとマイナス表示されます。
マイナス表示するだけで値は変わらないので、あまり気にする事もないとは思いますが。
マイナス表示する事こと忘れないで下さいね。
▪ 注意する事
イノシシ対策に電気柵ってありますよね。
私の知り合いが興味本位で、カードテスターを使用して電圧測定らいしのですが、一瞬で壊れたらみたいです。
カードテスター測定範囲はAC・DC電圧とも500Vまでです。
電気柵は最低でも1000Vあるみたいなので、カードテスターで測定すると壊れますよね。
電気柵を測定するには、最低でも4000Vを測定できるテスターが必要らしいです。
カードテスターで測定しないように注意してくださいね。
■ AC(交流)電圧の測定
交流電圧を500Vまで、測定できます。
① レンジをACに合わせます。
② 赤コード・黒コードをプラス側・マイナス側にあてます。
③ AC100V・AC200V・AC400Vなど、交流電圧を測定できます。
DC(直流)レンジでは、プラス側マイナス側で表示が変化しました。
AC(交流)レンジでは、プラスマイナスどちらにあてても、マイナス表示されることはありません。
■ 抵抗の測定
抵抗の値を読み取れます。
① レンジを抵抗(Ω)にします。
② 抵抗の両端に赤コード・黒コードをあてます。
③ 抵抗が表示されます。
人間も抵抗があるのはご存知でしょうか?
試しに私自身の抵抗値を測定してみました。
3.7MΩの値がでましたよ。
■ 導通試験
電線が切れていないか測定できます。
① レンジを導通にします。
② 電線の両端に赤コード・黒コードを接続します。
③ 電線が繋がっていれば電子音が鳴り、切れていれば電子音は鳴りません。
導通試験や抵抗値を測定する時には、リードクリップがあれば便利です。
リードの先端がクリップになっているので、手で持つ必要がありません。
私も腰道具に入れています。
■ 周波数の測定
周波数の測定ができます。
① ACVレンジにつまみを合わせます。
② 電圧がACで表示されるか確認します。
③ 上部にある右側のボタンを押し、Hz表示に変わるか確認します。
④ Hz表示を確認後、AC電圧測定と同じ要領で、コードをコンセントに接続します。
⑤ 周波数が表示されます。
周波数は、住んでいる地域によって値は違います。
東日本は、50Hz
西日本は、60Hz
▪ ここで一つマメ知識
先程、長崎県は60Hz、関東は50Hzと言いましたが、境界線はどこになるのでしょうか?
答えは・・・
富士川です。
日本は静岡県の富士川から新潟県の糸魚川あたりを境に、東が50Hz・西が60Hzになっています。
明治時代に発電機を輸入した際に、西はドイツ・東がアメリカから輸入していました。
その輸入先のドイツが50Hz・アメリカが60Hzだった為、今でも東が50Hz・西が60Hzのままです。
コスト面を考えても、50Hzと60Hzをどちらか1つに統一するのは難しいですよね。
家電製品のほとんどは、50Hzと60Hz共に両方対応しているので、問題ないかも知れませんね。
■ ダイオード測定
ダイオードの値が測定できます。
① レンジをダイオードに合わせます。
② ダイオードのIN側に赤コード・OUT側に黒コードを接続します。
③ ダイオードの値が読み取れます。
ダイオードは一定の方向のみ電気を流す特性を持っています。
ダイオードの測定値も、一定の方向でしか表示されません。
IN側とOUT側の繋ぎが逆だと値は.OL v表示になっています。
表示されない場合は、IN側とOUT側が逆になっている可能性があるので、コードを繋ぎ変えてください。
もし、IN側とOUT側をどちらにつないでも値が出る場合は、ダイオードは壊れています。
ダイオードを交換してください。
■ SANWA Q&A
PM3の使い方で周波数の測定方法が分からなかったので、SANWAに聞いてみました。
Question
周波数測定方法を教えてください。
Answer
まず、ACVレンジにつまみを合わせてください。
電圧がACで表示されるか確認します。
その後、上部にある右側のボタンを押し、Hz表示に変わるか確認します。
Hz表示を確認後、AC測定と同じ要領でコードをコンセントに接続します。
長崎県は60Hzなので、60Hzが表示されると思います。
以上、SANWA Q&Aでした。
SANWAの担当者に教えて頂いた通り実施すると、コンセントの周波数が表示しました。
日本のメーカーだと何か聞きたいこと、疑問に思ったことが質問できます。
機器の使用方法や修理方法まで教えて頂けます。
私のオススメ工具
■ 本体
HIOKIのカードテスターはケースが破損してしまうことがよくあります。
その場合は、携帯用ケースのみ購入できますよ。
まとめ
今回はカードテスターを紹介しました。
日本にはHIOKI・SANWA・KYORITSUなど、良いメーカーがあります。
最近ではFLUKEなど海外のテスターも簡単に購入できます。
私は英語が全く分からないので、日本のメーカーだけ使用しています。
日本のメーカーだと使用方法など分からない場合は、気軽に相談できますよ。
テスターは安価なタイプから高価なタイプまで、沢山の種類があります。
最初に購入するのは、安価なカードテスターがオススメです。
電流が測定できるテスターは高価なので、必要に応じて検討してはいかがでしょうか。
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twitter.com/nama_nagashima
SANWA PM3の測定項目で重要なものが抜けてます。
「コンデンサ容量の測定」です。
簡易的なものなので、参考程度にしかなりませんが、
これが測定出来るカード型テスターは少ないので
とても重宝しています。
必要ない人にとっては全く使わない機能でしょうけど。
コメントありがとうございます。
私はコンデンサを使用する事がないので、コンデンサの容量測定をしたことがありませんでした。
測定する機会がありましたら使ってみようと思います。
ありがとうございました。