ケーブルグリップの種類と使い方! 幹線ケーブルの先端に取付け、配線作業に使用

DENSAN スイベルグリップ より戻し付・シャックル付




こんにちは、長島です。

今回は『ケーブルグリップ』を紹介します。
幹線ケーブルと呼ばれている、大きなサイズのケーブルに取付け、配線作業や入線作業時に使用する工具です。

工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。

 

ケーブルグリップとは

大きなサイズのケーブルを、配線叉は、入線する時に使用する工具です。
ケーブルラック等にケーブルを配線する時には、必ず使用する工具ですよ。

子供のおもちゃにある、「かみつきへび」のような工具です。
かみつきへびは指を入れて引っ張ると抜けませんよね。

ケーブルグリップも同じ原理で、ケーブルグリップの中にケーブルを入れて引っ張ると、ケーブルがケーブルグリップに引っ張られて、配線できるようになっています。

DENSAN スイベルグリップ より戻し付・シャックル付

https://www.jefcom.co.jp/dcms_media/other/2019_JEFCOM_GENERAL_CATALOG_vol30.pdf 出典元:ジェフコム株式会社

大きいサイズのケーブルを配線する時には必ず使用しています。

ケーブルグリップの末端はバインドするようにしてくださいね。

ケーブルグリップは、一方向に引っ張るだけなら抜ける事はありませんが、ケーブル側から押すとケーブルグリップが緩むことがあります。

ケーブルグリップが緩むと、ケーブルが外れてしまう可能性があるので、抜け止め防止の為に、必ずバインドするようにしてくださいね。

▪ バインドとは

電線やバインド線で縛る行為です。
電気工事屋さんの専門用語かも知れませんね。

 

ケーブルグリップの種類

■ メーカー

・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)

他にも沢山あると思いますが、ケーブルグリップを販売している代表的なメーカーを記載しています。

■ 素材

・ スチール製
・ ステンレス製
・ プラスチック製

一般的にはスチール製を使用している方が多いと思います。
スチール製が種類も多くなっています。

■ 種類

・ 先端用
・ 中間用

ケーブルグリップと言えば先端用です。
ケーブルグリップは迷わず先端用を購入してくださいね。

通常は先端用しか使用しませんが、大きめのサイズを配線する場合に中間用を使用するみたいです。

私は使った事がないので分からないのですが、ケーブルの中間からロープで引っ張る時に取付けるのが中間用です。

ただし、中間用なのでケーブルグリップを編んで使用する事になると思います。

ケーブルグリップを編んだり、解いたりする作業は面倒かも知れないので、そこだけはよく検討されてくださいね。

下記、写真のようなイメージになります。

DENSAN ケーブルグリップ 中間用イメージ
出典元:ジェフコム株式会社

中間用は必要に応じて検討して良いと思います。
使用頻度としては少ないと感じています。

■ ケーブルグリップ使用ケーブル径

・ 5㎟~150㎟

ケーブル外径サイズ

参考までにケーブルの外装を記載しています。

ケーブルグリップの最小サイズが5㎟なので、上記のリストからすると、IVケーブルの8㎟から使用できる事になります。

屋内配線で使用するサイズは、200㎟以下が多いです。

最初に検討するのは200㎟以下にして、それ以上を使用したい場合は、必要に応じて検討しても良いと考えます。

上の表が分かりにくい方には、こちらをご覧ください。

ケーブルグリップ サイズ

固定したいケーブルのサイズに合わせて、ケーブルグリップのケーブル径を選ぶと良いですよ。

■ ソックスの長さと全長

・ 130mm~1060mm
取付けられるサイズによって長さがあります。
小さなサイズ程ソックスの長さも短くなり、サイズが大きくなればなるほど、長さも長くなります。

▪ ソックスとは

ケーブルグリップの網の長さです。
全長はソックスの長さプラス50mm~60mm程度くらいです。
あまり気にするところではないですね。

■ 引張荷重

・ 25kg~3000kg
ソックスの素材に合わせて引張荷重が変わります。

使い捨てタイプやプラスチック製が弱く、スチール製やステンレス製は、引張荷重が大きいです。

(例)スチール製で14㎟~150㎟の場合

適用ケーブル(例) 引張荷重kN(kgf)
14~22 5.9(600)
38~60 7.8(800)
100~150 14.7(1500)

14㎟~22㎟でも、引張荷重が600kgもあります。

少々の事ではケーブルグリップが壊れる事はないでしょうね。
安心して使用できると思います。

■ 便利な機能

・ より戻し
より戻しは、先端がクルクルと回転する機能です。
ロープで引っ張った時の、ロープのヨリで、ケーブルがクルクルと回転しないようにするようになっています。

今までは、ロープとケーブルグリップの間により戻しを付けて今しがた、最近では最初から、より戻しを搭載したケーブルグリップが販売されています。
より戻しの先端は、丸くなっているので、周囲に引っ掛からないような工夫もされています。

・ スムースガイド
スムースガイドはプラスチック製になっています。

CVTや複数のケーブルを挿入しても、ケーブル先端が覆われるので引っ掛りにくくなっています。

DENSAN ケーブルグリップ スムースガイド
出典元:ジェフコム株式会社

・ ソフトカバー付き
ソフトカバーはシリコンゴム製です。
シリコンは滑りもよく通線がスムーズです。
スムースガイド同様に、引っ掛かりにくくなっています。

DENSAN ケーブルグリップ ソフトカバー付
出典元:ジェフコム株式会社

 

ケーブルグリップのメリット・デメリット

ケーブルラック上での配線で、ケーブルグリップを使わなかった場合と比べてみました。

■ メリット

・ ケーブルを固定するのが早い。
ケーブルグリップを広げて、ケーブルを差し込むだけなので早いです。
バインドは必ずしてくださいね。

・ 抜けにくい。
ケーブルにロープを固定すると簡単に抜けてしまう事があります。
ケーブルグリップを利用すると簡単には抜けませんよ。

・ ラックのケタに引っ掛かりにくい。
スムースガイド付きやソフトカバー付きなど、引っ掛かりにくい構造をしたケーブルグリップも販売されています。
これは最近販売されているタイプなので、昔からのケーブルグリップにはない構造の物です。
現在お持ちのケーブルグリップでケタに引っ掛からないようにするためには、ケーブルグリップにケーブルを最後まで入れないで4~5cmほど空けて固定してみてください。
ケーブルグリップに余裕を持たせる事で、引っ掛かりにくくなりますよ。

■ デメリット

・ 数種類が必要。
本来なら、ケーブルのサイズに合わせてケーブルグリップを交換する必要があります。
しかし、各サイズのケーブルグリップを準備するのは大変ですよね。
「大は小を兼ねる」と言う、ことわざがあります。

ケーブルグリップもこのことわざ通り、少し大きめのサイズのケーブルグリップを使用しても、バインドをしっかりとしておけば抜ける事はありませんよ。

バインドは、ケーブルグリップの根元だけをするのが通常ですが、大きなサイズのケーブルグリップを使う場合は、抜け止め防止用に、ケーブルグリップの中央部分にもバインドをすると、より堅固に抜け止め防止になります。

 

ケーブルグリップの使い方

■ ケーブルをケーブルグリップに固定する方法を説明します。

① ケーブルの保護キャップを外す。
サイズの大きい新品のケーブルには、先端が傷つかないように保護キャップが付けられています。
保護キャップが付いていると、ケーブルの先端が太くなるので、保護キャップを外してください。

② ケーブルの先端をテーピングする。
ケーブルグリップに入れやすいように、先端をテーピングします。

③ ケーブルグリップを広げる。
ケーブルグリップの根元を、先端側に押すとケーブルグリップが広がります。

④ ケーブルを挿入する。
ケーブルグリップにケーブルを入れます。
根元を抑え先端側を押すとケーブルグリップが広がりますので、広げながら入れると入れやすいですよ。

⑤ バインドする。
ケーブルグリップの口元に、バインド線またはIV電線でバインドします。
網の間に2~3カ所と押して、ペンチで縛ります。
バインド線の太さは、網が緩まないようにするだけなので、細い物でも問題ありませんよ。
バインドした部分はそのままでも良いですが、少しでも引っ掛かりが少ないように、テープ巻きする事も多いです。

以上、ケーブルグリップの固定方法でした。

ケーブルグリップは、ケーブル敷設時に使用する工具です。

前進する場合は、ケーブルクリップがケーブルを締めるので、抜けない構造になっています。

しかし、後ろから押すとケーブルクリップが緩み抜ける構造になっています。

ケーブル敷設時に、ケーブルを引っ張ったり、押し返したりしていると、たまにですが、ケーブルクリップから抜ける事があります。

ケーブルラック等で、目に見えている場所では簡単にやり替えができますが、配管等で見えない場合だと何処で抜けたのかわかりませんよね。

一度外れると面倒なので、ケーブルクリップを使用される場合は、面倒くさがらずにバインドするようにしてくださいね。

サイズは小さいものから大きいものまで沢山あります。

ケーブルのサイズに合ったケーブルグリップを使用する事をオススメします。

■ ワンポイントアドバイス

既設のケーブルラック等に、ケーブルを追加配線する事があると思います。

ケーブルグリップはワイヤーで編んだ工具なので、ワイヤーが劣化している場合は、ワイヤーの先端が飛び出ている事があります。

既存のケーブルをワイヤーで痛めないようにする方法として、ビニルテープや防食テープ等をケーブルグリップに巻きます。
このひと手間をすることで、既存のケーブルに傷を付けなくできます。
面倒かも知れませんが、試してみてくださいね。

 

私のオススメ工具

■ ケーブルグリップ 本体

■ あると便利な工具

 

まとめ

今回はケーブルグリップを紹介しました。

サイズの大きいケーブルを配線したり、入線したりする時に使用する便利な工具です。

CVやCVTと呼ばれる、太いサイズのケーブルに使用します。
ケーブルにロープを直接取付けると、ロープとケーブルの繋ぎ目が大きくなり配線や入線がしにくくなります。

それに頑丈に固定しても抜けてしまう可能性もあります。
私は電気工事をしていますが、必ず使用していますよ。

持っていない方は検討してみてはいかがでしょうか。

■ 合わせて読みたい関連記事

・ 吊り金車に関する記事はこちら
吊り金車の種類と使い方! ケーブルラックや天井裏に幹線ケーブルを配線

■ Twitter

フォローしてもらえると嬉しいです。
長島のTwitter




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。