墨壺の種類と使い方! 墨で現場の基準線を引く

TAJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R 黒




こんにちは、長島です。

今回は『墨壺』を紹介します。

建築現場で、基準線や印を付ける時には、とても必要な工具です。

墨壺を選ぶ時の参考にしてくださいね。

 

墨壺とは

木材やコンクリートなどに印(直線)をつける工具です。

出典元:amazon

長い直線を引く事ができます。

建築現場では、建物の寸法の基準となるかえり芯を、墨壺でラインを引いています。

▪ かえり芯とは

建物の通り芯から、500mmや1000mm離れた所に出す基準線です。(現場によって異なります。)

通り芯は、柱や壁の中心になっていることが多いです。

通り芯を床に出していると、壁や柱に隠れてしまい消えてしまいます。

それを防止するために、500mmや1000mmなど離れた場所に、かえり芯を建築が墨壺(黒色)で出すのが一般的です。

かえり芯を元に、設備工事なら配管が通る場所、電気工事なら照明器具などを設置する場所を決めています。

 

墨壺の種類

■ メーカー

・ TAJIMA(TJMデザイン)
・ シンワ(シンワ株式会社)
・ たくみ(株式会社たくみ)

他にもあると思いますが、墨壺を販売している代表的なメーカーを記載しています。

現場ではTAJIMAを使用されているのをよく見かけます。

私もTAJIMAの墨壺を2つ持っていて、黒と赤の2種類の墨を入れています。

■ 種類

・ 手動巻き
・ 自動巻き

上記、2種類があります。

手動巻きは自分で糸を巻くのでとても面倒ですが、自動巻きの方が手も汚れず巻けるので簡単で便利です。

私も自動巻きを使用しています。

■ インクの色と職種

・ 黒 - 建築(通り芯の、間仕切り、)
・ 白 - 造船所で使用されています。
・ 赤 - 設備工事・電気工事
・ 青 - 使用しているのを見たことがありません。

黒は建築、それ以外を設備業者さんが使用するのが一般的です。

現場の床には建築が出している、かえり芯があります。

設備工事・電気工事の墨が、建築と同じ黒を使用すると、勘違いする事もあると思います。

間違いがないように、色の使い分けは必要だと思います。

職種に合わせて墨の色を変えてくださいね。

私は電気工事をしているので、赤の墨壺を使用しています。

青の墨を使用している業者は少ないので、次に墨壺を購入した時は、青を検討しています。

一般的に使用されていない色を使うと、ひと目で自分が出したラインだと分かりやすいですよ。

■ 私が持っている墨壺

TAJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R(黒)

TAJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R 黒
AJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R 黒ライン

TAJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R(赤)

TAJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R 赤
TAJIMA パーフェクト墨つぼ21 PS-SUM21-R 赤ライン

分かりづらいかも知れませんが、上が黒で、下が赤です。

墨の色には黒・白・赤・青があり、一番多く使用されているのは黒です。

私は黒と赤の2種類を使い分けています。

・ 黒 ー 建築が出したかえり芯の墨が消えている時に使用しています。

・ 赤 ー 照明器具やインサートの位置を出すときに使用しています。

 

墨壺のメリット・デメリット

チョークライン使用した時と比べてみました。

■ メリット

・ 消えにくい。
墨を利用して線を引くので消えにくいです。
チョークラインだと簡単に消えてしまいます。

■ デメリット

・ つぼ綿に墨を入れると、色の変更ができない。
違う色を使いたい時は、もう1つ墨壺が必要です。
私は、黒と赤を使いたいので、2つ持っています。

・ 墨が固まってしまう。
長い間使っていないと墨が固まってしまい、使う事ができなくなります。
1週間くらいなら問題なく使用できると思いますが、1か月では固まったしまうと思うので、定期的に墨か水を入れて固まらないように注意してください。
つぼ綿や糸が使えなくなった場合は、新品に交換する事で使用できます。

・ 仕上げ材には使用できない
墨は消えないので、仕上げ材には利用できません。
仕上げ材にラインを引きたい場合は、チョークラインを利用してください。

 

墨壺の使い方

■ 床の墨出し作業の場合

墨出し作業は通常2人で行います。

① 墨を打ちたい場所に2カ所、印を付けます。
コンベックスで長さを測定して、印を付けます。

② 本体小窓の中につぼ綿が入っているので、お好みの色の墨を入れます。
一番多く利用されているのは黒です。
電気工事や設備工事は赤が多いです。
墨をつぼ綿に入れると、色の変更はできないので、注意してくださいね。

③ 小窓に黒いボタンがあるので、押しながら糸を出します。
新品の時は糸が墨になじむまで、数回出し入れをしてあげてください。
墨が糸になじんでいないと、線が途切れてしまいます。

④ 糸を引っ張りながら、印に糸を合わせます。
カルコを持っている人が先に床に糸を当て、後から本体を持っている人が糸を軽く引っ張った感じで印に糸をあてます。
2人とも同時に床に糸を置くと、糸が床について不要な線が付いてしまいます。

⑤ 墨を打ちます。
2人のどちらか1人が糸を上に引っ張り、糸を放します。
真上に糸を上げないと墨が真っすぐに打てません。
真上から落とすように心がけてください。

⑥ 床から糸を離し、本体に収納させます。

⑦ 印かズレていないか確認します。

以上、墨出し作業のやり方でした。

床に真っ直ぐな直線が描かれていると思います。

墨を出すのか木材だったら、カルコの先端に針が付いているので、カルコを刺して1人でも作業できますが、コンクリートなどの刺さらない場所では、2人での作業がいいと思います。

1度墨を打つと消えないので注意しながら作業して下さい。

墨を入れているつぼ綿は、使用していないと固まったりするので、たまには墨や水を入れて、糸をほぐしてあげたほうが長持ちします。

▪ 墨壺に似た工具

墨壺に似た工具にチョークラインと言う工具があります。

名前の通りチョークの粉で線を引く工具です。

墨壺で墨をうつと消せません。

それに仕上げ材に墨の跡が残ってしまいます。

仕上げ材や天井のボードのような場所ではチョークラインを使用した方が良いですよ。

それと、コンクリート打ちっ放しの建物にも墨を打たないように気をつけて下さいね。

床には墨壺がオススメですが、壁や天井にはチョークラインがオススメです。

 

私のオススメ工具

■ 墨壺

■ 交換部品

■ 墨

 

まとめ

今回は墨壺を紹介しました。

コンクリートに直線を書ける便利な工具です。

かえり芯や間仕切り、設備工事では配管の通る場所、電気工事では照明器具などの機器の設置場所など様々なラインを出しています。

建築現場ではとても必要な工具です。

黒 = 建築

黒以外 = 設備工事・電気工事など

職種に合わせて墨の色を使い分けた方が良いと思います。

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