こんにちは、長島です。
今回は『鉄筋ベンダハンドタイプ』を紹介します。
鉄筋を曲げる工具です。
鉄筋ベンダには充電式、電動式、手動式の3種類がありますが、今回は手動式の中でもハンドタイプの鉄筋ベンダを紹介しようと思います。
鉄筋ベンダハンドタイプを選ぶ時の参考にしてくださいね。
鉄筋ベンダハンドタイプとは
手動式の鉄筋を曲げる工具で、短いタイプです。
手動式鉄筋ベンダは曲げる以外にも、切断する事ができましたが、鉄筋ベンダハンドタイプは曲げる事しかできません。
コンクリート構造の建物は
① 鉄筋を組む
② 型枠で形を作る。
③ コンクリートを流す。
④ 型枠をばらす。
この手順でできています。
他の種類の鉄筋ベンダは、①鉄筋を組む時に使用されていますが、ハンドタイプは鉄筋を組んだ後に、鉄筋を曲げる時に使用されています。
鉄筋屋さんも使用されていますが、この鉄筋ベンダハンドタイプは鉄筋屋さん以外にも、設備屋さん・電気屋さんも使用されています。
鉄筋屋さんは、コンクリート打設後の台直し
設備屋さんは、スリーブを取付ける時
電気屋さんを、裏ボックスやスリーブを取付ける時
主に3つの業者さんで使用されていますよ。
コンクリート構造の建物で使用されています。
鉄筋ベンダハンドタイプの種類
■ メーカー
・ Mokuba(株式会社小山刃物製作所)
他にも沢山あると思いますが、鉄筋ベンダハンドタイプを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 動力源
人力です。
作業者の方が鉄筋ベンダハンドタイプを利用して、鉄筋を人力で曲げています。
■ 曲げられるサイズ
・ D10
・ D13
・ D16
・ D19
・ D22
・ D25
・ D29
・ D32
上記、8種類の鉄筋が曲げられます。
この中でも使用頻度が高いのは、D10・D13です。
D16までは曲げる事も可能ですが、19以上になると曲げるのが困難です。
最近では鉄筋を曲げる事自体が嫌われているで、D16以上の鉄筋は曲げない方がよいと思いますよ。
■ 先端の種類
・ ストレート型
先端が真っ直ぐになっているタイプです。
・ 曲がり型(45°曲がり)
先端が45°に曲がっているタイプです。
・ ストレート型ダブルタイプ
先端がストレートタイプになっていて、D10とD13の2つのサイズが付いています。
先端は直線になっているストレート型と、先端45°に曲がっている曲がり型の2種類があります。
鉄筋の組み方やボックスの取付け位置によって、使いやすい・使いにくいなどがありますが、
最初に購入するのは、ストレート型がよいと思います。
ストレート型が、使用頻度が高い気がします。
最初はストレート型を購入して、曲がり型は必要に応じて検討されてもよいのかと思いますよ。
■ 長さ
・ ショートタイプ
柄が短いタイプです。
パイプ等を溶接して取付けて使用します。
・ ロングタイプ
ロングタイプはショートタイプとは違い、そのままの長さで使用しています。
もし長くしたい場合には、パイプを入れて長くする事も可能ですよ。
■ 柄の種類
・ 棒
・ パイプ
棒になっているタイプとパイプになっているタイプの2種類があります。
よく利用されているのは、棒になっているタイプですが、鉄筋屋さんはパイプになっている方を使用している方もいます。
コンクリート打設後に、鉄筋が曲がってしまう事があるので、その曲がった鉄筋を修正する時に使用されていますよ。
鉄筋ベンダのパイプ側を鉄筋に入れて、曲がった鉄筋を真っ直ぐにしています。
先端側で修正もできますが、パイプ側で修正した方が早いです。
その修正する事を『台直し』と言っています。
鉄筋ベンダハンドタイプのメリット・デメリット
手動式鉄筋ベンダと比べてみました。
■ メリット
・ 軽くて小さい。
手動式鉄筋ベンダと比べてとても小さいです。
一見、鉄の棒にしか見えません。
・ 安価。
1本、数千円程度です。
・ 組んだ鉄筋に使用できる。
電気工事や設備工具では、鉄筋を曲げる事にしか使用しませんが、鉄筋屋さんはコンクリート打設が終わったあとの台直しに使用しています。
■ デメリット
・ 切断できない。
鉄筋ベンダハンドタイプは鉄筋を曲げるだけです。
切断する事はできません。
・ 綺麗に曲げられない。
90°135°180°など曲げる事ができません。
微調整するだけです。
以上、メリット・デメリットでした。
鉄筋ベンダハンドタイプは、鉄筋を組んだ後に、裏ボックスやスリーブが入るように曲げて微調整する工具です。
鉄筋ベンダハンドタイプの使い方
私は電気工事をしているので、電気工事で使用する場合で説明したいと思います。
電気工事では、コンクリート構造の建物でスイッチやコンセント、それに照明器具用の裏ボックスを取付ける時に使用していますよ。
SL=FLとします。
SLとは:スラブライン(コンクリート上場の高さです。)
FLとは:仕上げライン(最終定期な仕上がりの高さです。)
今回は、コンセント用裏ボックスを建込む手順で説明します。
① 墨出しをする。
最初に裏ボックスを取付ける位置の墨出しをします。
床にマジック等で位置に印を付けます。
② コンセントの高さを確認する。
図面で高さの確認をします。
③ コンクリートの高さも確認します。
コンクリートの上場がSLの場合には、コンクリートから寸法を出しても良いですが、コンクリートの上場がFLとは限りません。
主筋に型枠大工さんがテープで印を付けていますので、その高さがどのくらい違っているか確認します。
低い場合には、モルタルで床調整する場合があるので、低い分の高さもプラスしてください。
④ 鉄筋に印を付ける。
取付ける時の目安になるので、高さとヨリの印を付けます。
⑤ ボックスを取付ける。
ボックスに固定しているスタットバーを結束線で固定します。
下げ振りや水平器を利用してたて・よこを確認しながら固定します。
最終的な高さはスケール(コンベックス)で確認します。
⑥ スタットバーを曲げる。
スタッドバーを結束線で固定するだけではコンクリート打設時に、ボックスがズレてしまいます。
必ずスタットバーを曲げて動かないようにしてくださいね。
⑦ ボックスの出を調整する。
ここでようやく鉄筋ベンダハンドタイプの登場です。
コンクリートの間仕切りを大工さんが墨出しをしていると思います。
下げ振りを下げて、どのくらいボックスを調整するか確認します。
ボックスが手前に出ている時に、鉄筋ベンダハンドタイプで鉄筋を曲げて調整します。
もしボックスが奥に入り込んでいる場合には、スタットバーで調整するようにしてくださいね。
鉄筋は碁盤の目で組まれており、縦筋と横筋があります。
ボックスが取付けられる場所の手前が縦筋の場合には、横筋から曲げ、横筋を曲げた後で縦筋を曲げます。
横筋が手前の場合には、縦筋を曲げた後で横筋を曲げます。
ボックスよりも、上下左右50mm~100mmくらい少し広い場所から曲げてください。
ボックスが奥に入るように曲げます。
⑧ 配管する。
図面で配管の本数とサイズを確認します。
PF管の先端にガムテープ等で雨が入らないように蓋をしてくださいね。
⑨ 配管を結束する。
配管を結束する時には、0.9mmのバインド線で固定します。
私が電気工事を始めた頃は、結束線で結束していましたが、現在ではバインド線で結束するようになっています。
民間の現場では結束線でも問題はないと思いますが、官公庁の現場ではバインド線が主流になっているので、必ずバインド線を利用するようにしてくださいね。
以上、手動式鉄筋ベンダハンドタイプの使い方でした。
■ 注意する事
鉄筋を曲げる時には、奥になっている側の鉄筋から曲げていきます。
鉄筋が手前に出過ぎている場合には、ボックスを付ける前に曲げておいた方が楽ですよ。
私のオススメ工具
■ ショートタイプ
■ ロングタイプ
まとめ
今回は鉄筋ベンダハンドタイプを紹介しました。
鉄筋ベンダハンドタイプは、組んだ鉄筋に裏ボックスやスリーブが入るように曲げて微調整する工具です。
鉄筋屋さんは、スラブのコンクリート打設が終わったあとの台直しに使用していますよ。
主に使用されているのは、鉄筋屋さんですが、設備屋さん、電気屋さんも使用されています。
コンクリート構造の建物には必要な工具です。
検討してみてはいかがでしょうか。
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