こんにちは、長島です。
今回は『充電式油圧圧着工具』の紹介をします。
前回は手動式の油圧圧着工具を紹介しましたので、今回は充電式の油圧圧着工具を紹介しようと思います。
電気工事士の方には、使用頻度の高い工具です。
充電式油圧圧着工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
充電式油圧圧着工具とは
手動式油圧圧着工具と同様に、裸圧着端子や裸直線スリーブを圧着する工具です。
充電式タイプは、アタッチメントと呼ばれるヘッド部分を交換して、イロイロな事が可能になります。
充電式油圧圧着工具の種類
■ メーカー
・ CACTUS(株式会社カクタス)
・ HiKOKI(工機ホールディングス株式会社)
・ IZUMI(株式会社泉精器製作所)
・ JST(日本圧着端子製造株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
・ NISHIDA(株式会社西田製作所)
・ Panasonic(パナソニック株式会社)
他にもあると思いますが、充電式油圧圧着工具を販売している代表的なメーカーを記載しています。
IZUMI・CACTUSを使用されている方が多いです。
私はCACTUSを使用しています。
■ 長さ
・ 250mm~350mm
短いタイプは、圧着できるサイズが小さいタイプです。
長いタイプは、圧着できるサイズが大きくなります。
使用頻度が高いと思われる14sq~250sqは、約300mm前後の長さがあります。
■ 重さ
・ 2.3kg~7.2kg
軽いタイプは、小さなサイズを圧着するタイプです。
電線サイズで60sq以下になります。
7.2kgもあるタイプは、150sq~325sqまで圧着できるタイプです。
私の経験上、250sq以上を圧着するのはたまにしかありません。
幹線を主に扱っている電気工事士は大きなサイズを使用するので、必要かも知れませんが、屋内配線をメインにされている方は、250sqまでを圧着できるタイプで充分だと思います。
250sqまで圧着できるタイプで、約4.5kgの重さです。
アタッチメントの種類
① 圧着
② 圧縮
③ 切断
④ 穴あけ
アタッチメントの種類は、大きく分けて4種類あります。
各々に説明したいと思います。
① 圧着
■ 圧着端子・スリーブ用
・ 裸圧着端子用
電線のサイズに合った端子を圧着して、ブレーカーや端子台に固定する時に使用します。
・ 裸直線スリーブ用
Bスリーブと呼ばれる直線スリーブを利用して、同じサイズの電線同士を圧着します。
裸圧着端子や裸直線スリーブを利用して、圧着するアタッチメントです。
充電式油圧圧着工具のセット品を購入すると、セット品に含まれています。
■ 圧着サイズ
・ 2sq~14sq
・ 5.5sq~60sq
・ 8sq~60sq
・ 14sq
・ 14sq~200sq
・ 14sq~250sq
・ 150sq~325sq
上記のように、細い電線から太い電線まで、とても幅広くあります。
細い電線は圧着ペンチを利用して方がスピーディーに作業できると思いますが、太い電線は充電式油圧圧着工具が便利です。
充電式油圧圧着工具で使用頻度が高いのは、14sq~250sqだと思います。
最初に購入するのは、14sq~250sqのタイプが良いと考えます。
■ 圧着工具の使い方
150sqの圧着端子を圧着する方法を説明します。
① ヘッドピンをフリーにする。
上へ上げると、メスダイスが交換できるようになります。
ヘッドピンは抜けないような構造になっています。
② 150sq用のオスダイスを取付ける。
オスダイスを交換する時は、メスダイスがない方が交換しやすいです。
③ 150sq用のメスダイスを固定する。
ヘッドピンを入れるだけで、メスダイスが固定されます。
最後まで入っているか確認してください。
④ 電線の被覆を剥く。
圧着端子と同じ長さで被覆を剥いてください。
端子から1mm程度出るのが理想です。
慣れていない方は、圧着端子を入れて確かめる事をオススメします。
⑤ 本体のトリガーを引き圧着します。
カッチと音がするまでトリガーを引きます。
⑥ 解除ボタンを押す。
解除ボタンを押さないと、油圧が抜けません。
オスダイスが、戻りきるまで解除ボタンを押してください。
⑦ 電線の色に合わせたキャップを被せます。
以上、圧着端子を圧着する方法でした。
② 圧縮
サイズの違う電線を同士を、圧縮して接続するアタッチメントです。
■ T型圧縮(T型コネクタ用)
T型コネクタと呼ばれる材料を使って、電線同士を圧縮します。
■ T型コネクタのサイズ
T型コネクタ | 合計断面積(m㎡) |
T-7 | 3.5~7 |
T-11 | 7.5~11 |
T-16 | 11.5~16 |
T-20 | 14~20 |
T-26 | 21~26 |
T-44 | 27~44 |
T-60 | 45~60 |
T-76 | 61~75 |
T-98 | 77~98 |
T-122 | 99~122 |
T-154 | 123~154 |
T-190 | 155~190 |
T-240 | 191~240 |
T-288 | 241~288 |
T-365 | 289~365 |
T-400 | 366~450 |
T-560 | 451~500 |
T-700 | 661~700 |
■ 銅圧縮(C型コネクタ用)
架空電線路において張力のかからない、銅電線を接続する場合に使用します。
T形圧縮も銅圧縮もコネクタの資材を利用して、サイズの違うケーブルを圧縮してケーブルとケーブルをつなぐアタッチメントです。
T形圧縮と銅圧縮は、コネクタの種類が違いますので、兼用できません。
間違えないように注意してくださいね。
T型コネクタ用もC型コネクタ用も、コネクタの種類に合わせたコマが必要です。
電気工事で使用するのは、T型コネクタの方が多いように感じます。
銅圧縮タイプは、屋内ではT型圧縮を使用した方が良さそうです。
③ 切断
・ ケーブルカッター
・ 全ねじカッタ
・ 鉄筋カッター
・ ケーブルラックカッター
切断は名前の通り、切断をする工具です。
種類もいろいろあるので、切断したい資材に合わせてアタッチメントを選んでくださいね。
④ 穴あけ
・ ノックアウトパンチ
・ レースウェイカッター
・ アングル加工機専用アタッチメント
鉄板・ダクター・アングルに穴を開ける事ができるアタッチメントです。
切断用アタッチメント同様に、切断したい資材に合わせてアタッチメントを選んでください。
各メーカーからヘッド部分を交換して、いろいろなアタッチメントを取付ける事ができます。
1つのアタッチメントで約10万もするので、よく検討してから購入してくださいね。
充電式圧着工具のメリット・デメリット
手動式油圧圧着工具と比べてみました。
■ メリット
・ 作業が早い。
・ 力が必要ない。(本体を持つ力だけです。)
・ 大きいサイズまで圧着できる。
・ 疲れない。
■ デメリット
・ 高価。
・ 充電が切れたら使えない。(予備のバッテリーがあれば問題ありません。)
数が少ない時は手動式油圧圧着工具でもよいと思いますが、数が多くなると時間もかかってしまいます。
そのような場合は、充電式圧着工具が良いと思いますよ。
手返しよく作業できます。
私のオススメ工具
まとめ
今回は充電式圧着器を紹介しました。
14sq上の端子を圧着する時には、充電式圧着工具がいいと思います。
それに充電式圧着工具は、アタッチメントを交換することで様々な機能ができるようになります。
■ アタッチメントの種類
・ ケーブルカッター
・ 全ねじカッター
・ 鉄筋カッター
・ ケーブルラックカッター
・ T型分岐圧縮
・ 圧着端子・スリーブ
・ マルチ圧縮
・ T型圧縮専用
・ ノックアウトパンチ
・ レースウェイカッター
・ アングル加工機専用アタッチメント
色々なアタッチメントが沢山ありますよね。
メーカーや機種によってアタッチメントがいろいろあります。
アタッチメントは便利だと思いますが、高価です。
アタッチメントを購入するより、単体の充電式工具を購入した方が安価になることもあります。
購入する際は、よく検討してくださいね。
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