こんにちは、長島です。
今回は『ケーブルジャッキ』を紹介します。
ケーブルドラムに巻かれたケーブルを伸ばす時に必要な工具です。
ケーブルジャッキを選ぶ時の参考にしてくださいね。
ケーブルジャッキとは
電線ドラムに巻かれたケーブルを伸ばす時に使用する工具です。
重いケーブルドラムを上に吊り上げて浮かす事で、重いケーブルが簡単に伸ばす事が可能になります。
ケーブルドラムにシャフト(鉄の棒)を差し、ケーブルジャッキ本体に乗せてジャッキアップさせて使用します。
ラチェットタイプになっているので、ハンドルを回転させる必要はありません。
▪ ケーブルドラムとは
木製で作られた車輪みたいなものです。
その車輪の内側にケーブルが規則正しく巻かれています。
長いケーブルや太くて重いケーブルが巻かれています。
小さなものでφ400mm程度くらいしかありませんが、大きなものだとφ2000mmやφ3000mmなど、とてつもなく大きなケーブルドラムがあります。
以前、橋のしたに高圧ケーブルを1km沿線させたのですが、ドラムだけでφ3000mmくらいはあったと思います。
さすがにケーブルジャッキでは吊り上げる事ができなかったので、クレーンで吊り上げ、伸ばした事もありました。
ケーブルジャッキの種類
■ メーカー
・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ IKURA TOOLS(育良精機株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
他にも沢山あると思いますが、ケーブルジャッキを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ ケーブルジャッキ種類
・ 吊り上げて使用するタイプ
電気工事でよく利用されているタイプです。
ケーブルドラムの中央に穴が開いているので、そこにシャフトを入れて使用します。
・ 本体に乗せて使用するタイプ
ケーブルジャッキの上に乗せて使用します。
飛び出し防止装置を利用する事で、ドラムジャッキからの飛び出しを防止してくれます。
・ 横に倒して使用するタイプ
DENSANの商品では、ドラマワールと呼ばれています。
ケーブルドラムを横に倒して使用します。
上記、3種類があります。
この中で一番利用されているのが、吊り上げて使用するタイプです。
重いケーブルドラムから、軽いケーブルドラムまで幅広く利用できるので、このタイプを使用されている方が多いです。
■ 耐荷重
・ 小さめのケーブルジャッキ
200kg~1000kg
・ 一般的なケーブルジャッキ
2t~5t
ケーブルドラムのサイズによって使い分けていますが、主に使用されているのは、3tくらいだと思います。
200kg~1000kgの小さなサイズは、弱電ケーブルや短いケーブルで使用するくらいで、一般的なケーブルジャッキよりも使用頻度は少ないと感じています。
どちらか1つを購入するなら、一般的なケーブルジャッキがオススメです。
■ 吊り上げタイプの伸縮範囲
・ 487mm~688mm
・ 652mm~1018mm
・ 450mm~650mm
・ 800mm~1100mm
他にも沢山あると思いますが、一部の例をあげてみました。
上記の中では、487mm~688mmがよく利用されていると思います。
ケーブルジャッキのメリット・デメリット
吊り上げタイプと本体に乗せて使用するタイプで、比べてみました。
■ 吊り上げタイプ
▪ メリット
・ 幅広く利用できる。
ケーブルドラムのサイズに関係なく幅広く利用できます。
小さなケーブルドラムから大きなケーブルドラムまで利用する事が可能ですよ。
・ 重たいケーブルドラムが取付けられる。
タイプにもよりますが、大きなケーブルジャッキで5tまで利用する事が可能です。
5tのケーブルドラムってなかなかありませんが、そのくらい重いケーブルドラムまで利用する事が可能です。
▪ デメリット
・ 本体が重い。
小さなタイプでも33kgもします。
シャフトも含めると40kgは越えると思います。
台車等があると便利だと思います。
■ 本体に乗せて使用するタイプ
▪ メリット
・ セットするのが簡単。
ケーブルドラムを転がして乗せるだけなので、取付けが簡単です。
・ 軽い。
吊り上げタイプよりも軽いです。
約半分の19kgしかありません。
吊り上げタイプよりも軽いので、移動が簡単だと思いますよ。
▪ デメリット
・ ケーブルドラムのサイズが限定される。
ケーブルドラムのサイズが、300mm~600mm間のケーブルドラムしか利用できません。
サイズが限定されるのはちょっと不便です。
それに使用できる耐荷重が500kgまでです。
あまり重いケーブルドラムには、利用する事ができません。
どちらとも価格はあまり変わらないと思います。
使いやすいと思った方を使用してもいいと思いますが、私としては吊り上げタイプが使いやすいと思います。
ケーブルジャッキの使い方
■ 吊り上げタイプの場合
▪ 使い方 ① (ケーブルドラムがケーブルジャッキより低い場合)
① ケーブルジャッキのシャフトを入れます。
ケーブルドラムの中央に穴が開いているので、その穴にシャフトを入れます。
② ケーブルジャッキのヘッド部をシャフトに入れます。
③ シャフトを持ち上げ、片方のケーブルジャッキにヘッド部を入れます。
④ もう片方も同様に、シャフトを持ち上げ、ケーブルジャッキに入れます。
▪ 使い方 ② (ケーブルドラムがケーブルジャッキより高い場合)
① ケーブルジャッキのシャフトを入れます。
ケーブルドラムの中央に穴が開いているので、その穴にシャフトを入れます。
② ヘッド部をシャフトに入れます。
ケーブルドラムを中心に左右両側に入れます。
③ ケーブルジャッキのハンドルを回す。
ハンドルはラチェットになっているので、左右に振りながらケーブルジャッキを上げます。
床からケーブルドラムが離れるまでハンドルを回します。
④ もう片方も同様に上げます。
左右同じ高さになるように上げてください。
以上、ケーブルジャッキの使い方でした。
ケーブルドラムがおおき過ぎてケーブルジャッキ伸ばせない場合には、ケーブルジャッキの下にブロック等を敷いて使用してください。
ブロックを積み過ぎて不安定になる場合には、ブロックを横2列に組めば安定すると思います。
■ 横向きタイプの場合
▪ 使い方 ③ (ドラマワールの場合)
① ケーブルドラムの穴にドラマワールを差し込む。
ケーブルドラムを立てたまま中央の穴にドラマワール本体を差し込みます。
② ケーブルドラムを横に倒す。
ケーブルドラムに差したまま横に倒します。
ドラマワールが抜けないように注意して作業されてくださいね。
以上、横向きタイプの使い方でした。
▪ 注意する事
① 軽いケーブルドラムしか使用できない。
ドラマワールの耐荷重は200kg~300kg程度しかありません。
比較的小さめで軽いタイプのケーブルドラムでしか使用できませんので重いケーブルドラムには使用しないでくださいね。
② 作業する時は2人での作業が安全
ケーブルドラムを横に倒す時は、必ず2人で作業してくださいね。
1人がケーブルドラムを横に倒し、もう1人がドラマワールが抜けないように抑えます。
私のオススメ工具
■ ケーブルジャッキ
まとめ
今回はケーブルジャッキを紹介しました。
ケーブルジャッキの種類には、大きく分けて3種類あります。
① 吊り上げるタイプ
② 乗せるタイプ
③ 横に倒して使用するタイプ
この中でも使用頻度が高いのは、①の吊り上げるタイプだと思います。
このタイプだと小さなケーブルドラムから、大きなケーブルドラムまで幅広く利用できると思います。
■ 注意する事
① シャフトが別売りになっているタイプがある。
ケーブルドラムに差し込むシャフトが別売りになっているタイプがあります。
ケーブルジャッキ本体に付属しているか確認された方がよいと思います。
② 吊り上げた時に水平にする
ケーブルジャッキは水平で使用するのが安全です。
なるべく水平になるように調整してくださいね。
③ ケーブルの先端はケーブルドラムから切らない。
ケーブルジャッキにセット完了するまで切り離さないでください。
切り離すと邪魔になると思います。
④ ケーブルの引き出す方向を確認する。
ケーブルドラムからケーブルを引き出す場合は上からです。
下から引き出すとケーブルが擦れてキズが付いたり、ケーブルが出過ぎて止められなくなってしまいます。
注意されて下さいね。
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