こんにちは、長島です。
今回は『吊り金車』を紹介します。
大きなサイズなケーブルを配線する時に使用する便利な工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
吊り金車とは
大きなサイズのケーブルを配線する時に使用する工具です。
配線する負荷を減らしてくれるのでとても便利ですよ。
コーナーや荷がかかる場所に金車を取付ける事で、電線を引っ張る人数を減らしたり、重さも軽減させてくれます。
1つよりも2つ、2つよりも3つと、吊り金車が増えれば増えるほど、楽に作業する事ができます。
吊り金車の種類
■ メーカー
・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ FUJII DENKO(藤井電工株式会社)
他にも沢山あると思いますが、吊り金車を販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 最大通過物径
・ Φ60mm~φ100mm
下記写真の黄色で囲った部分の事です。
電線が通過する部分なので、吊り金車のサイズが大きければ大きいほど、大きいサイズの電線に使用する事ができます。
▪ 電線サイズと外径
吊り金車の最大通過物径は、φ60mm・φ70mm・φ85mm・φ100mmの4種類があります。
上記リストで見てみると、CV325㎟-3Cでもφ65mmです。
325㎟サイズを使用する現場は大きな建物や工場くらいしか使用しないので、φ60mmの吊り金車でもほとんどの電線で使用できます。
しかし、大は小を兼ねるとも言います。
購入を検討している方は、100mm幅の吊り金車を選んでみてはいかがでしょうか。
■ サイズ
・ 縦
104mm~148mm
・ 横
53mm~104mm
・ 厚さ
220mm~298mm
・ 重さ
750g~1600g
手の平より一回り大きいくらいのサイズです。
■ 安全最大荷重
・ 0.5kN(50kgf)~2.0kN(200kgf)
吊り金車一つにかかる最大重さです。
この安全最大荷重は重ければ重いほど安全なので、少しでも重いタイプを選んでくださいね。
吊り金車のメリット・デメリット
配線作業時に金車を使わなかった時と比べてみました。
■ メリット
・ 人が少なくできる。
吊り金車を利する事で、人が少なくする事ができます。
ケーブルラックを配線する時は、各コーナー事に1人は必要です。
コーナーに吊り金車を利用する事で、吊り金車が作用員の役割をしてくれます。
コーナーは特に力を入れにくい場所になるので、コーナーに吊り金車を取付ける事で、スムーズに配線できるようになります。
・ 負荷が軽くなる。
吊り金車を多く利用する事で、電線の負荷を軽減させてくれます。
ラックにかかる摩擦抵抗が減る事で、軽く感じると思います。
■ デメリット
・ 準備が必要。
吊り金車を取付ける準備が必要です。
吊り金車を付ける場所を間違えると、吊り金車を使っている意味がない事になるので、吊り金車は、良い場所に付けるようにしましょうね。
吊り金車の使い方
■ ケーブルラックで使用する場合。
(例)
ケーブルラックの長さは50m、曲がりは3カ所とします。
CVT100sqのケーブルは10m長い60mとします。
▪ 吊り金車がない場合の人員配置
① 電線ドラム側に2人
電線ドラムを回す人、ラックに電線を送る人
② 各コーナーに1人
コーナーが3カ所なので3人
③ 最終カ所に3人
合計8人
コーナーには必ず一人配置させる必要があります。
▪ 吊り金車がある場合の人員配置
① 電線ドラム側に2人
電線ドラムを回す人、ラックに電線を送る人
② 中間に2人
各コーナーではなく、コーナーとコーナーの中間に1人づつ入る。
③ 最終カ所に2人
合計6人
吊り金車を付ける場所は、
① ラックの先端
② 各コーナー×3カ所
③ ラックの終端
合計5個の吊り金車を使用します。
もし吊り金車が少なくて足りない場合は、ラックの先端かラックの終端を外すようにしてください。
吊り金車があると、中間の人員を省く事ができます。
吊り金車を付けているのと付けていないのでは、数倍付けている方が楽です。
8人でケーブル敷設する作業も、6人もしくは5人で良い場合もあります。
吊り金車が人の代役をしてくれる訳です。
吊り金車も1個より2個、2個よりも3個と、数が多ければ多いほど作業効率が上がります。安価な商品ではありませんが、数個購入する事をオススメします。
吊り金車は人件費よりも安いので、すぐに元は取れると思いますよ。
取り付ける場所は、荷がかかる場所やコーナーなどがいいと思います。
ケーブルを引っ張ると、どのように吊り金車に力が加わるのかイメージしながら取り付けて下さい。
取り付ける場所が悪ければ、吊り金車の付けている意味がない場合もあります。
最初から上手くは行かないと思いますが、慣れてくれば使ってよかったと実感されると思います。
買って損はしないと思いますよ。
私のオススメ工具
まとめ
今回は吊り金車を紹介しました。
ケーブルラックの幹線ケーブルの敷設や、天井裏の配線に使用する工具です。
主に幹線と呼ばれる、太めのサイズのケーブルを取り扱う時に使用します。
吊り金車を利用する事で、作業者の人数を減らしたり、作業者の負担を軽くしてくれる便利な工具です。
とても便利なので幹線ケーブルを扱う時には、検討してみてはいかがでしょうか。
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・ ケーブルグリップに関する記事はこちら
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