こんにちは、長島です。
今回は『パイプベンダー(手動式)』を紹介します。
金属配管を曲げる工具です。
工具を選ぶ時の参考にしてくださいね。
パイプベンダー(手動式)とは
金属配管を曲げる工具です。
露出配管する時に使用しています。
自由に曲げられる、ゲンコツ(ヒッキー)タイプと、90°にしか曲げられない足踏み(一発ベンダー)タイプの2種類があります。
・ ゲンコツ(ヒッキー)タイプ
・ 足踏み(一発ベンダー)タイプ
一般的なパイプベンダーは、ヘッド部分とパイプの部分が一体型になっています。
DENSANのパイプベンダーは、ヘッド部分とパイプの部分が分離しているタイプになっていて、パイプの長さが自由に変える事ができます。
叉、パイプ部分が潰れても交換する事も可能です。
パイプの種類
パイプベンダーを紹介する前に、パイプのサイズに付いて紹介しようと思います。
パイプの種類には、下記の種類があり、使う場所や仕様によって異なります。
■ Eパイプ(薄鋼用)ネジなし
一般的によく使用されている、ネジなしで薄鋼タイプの金属配管です。
ネジなしの金属配管はEパイプだけです。
金属配管と言えば、Eパイプを使用する事が多いです。
屋内の露出配管する時に使用されています。
屋外での露出配管は、塩ビパイプを利用する事が多いです。
▪ Eパイプの種類とサイズ
種類 | サイズ | 厚み |
E19 | 19.1 | 1.2 |
E25 | 25.4 | 1.2 |
E31 | 31.8 | 1.4 |
E39 | 38.1 | 1.4 |
E51 | 50.1 | 1.4 |
E63 | 63.5 | 1.6 |
E75 | 76.2 | 1.8 |
▪ Eパイプ用ノーマルの種類とサイズ
種類 | ノーマル(R) | ノーマル(L) |
E19 | ー | ー |
E25 | 120 | 170 |
E31 | 150 | 210 |
E39 | 180 | 255 |
E51 | 230 | 330 |
E63 | 290 | 410 |
E75 | 350 | 500 |
■ Cパイプ(薄鋼用)ネジあり
使用される頻度が少ない、ネジ付きで薄鋼タイプの金属配管です。
▪ Cパイプの種類とサイズ
種類 | サイズ | 厚み |
C19 | 19.1 | 1.6 |
C25 | 25.4 | 1.6 |
C31 | 31.8 | 1.6 |
C39 | 38.1 | 1.6 |
C51 | 50.1 | 1.6 |
C63 | 63.5 | 2.0 |
C75 | 76.2 | 2.0 |
▪ Cパイプ用ノーマルの種類とサイズ
種類 | ノーマル(R) | ノーマル(L) |
C19 | ー | ー |
C25 | 120 | 170 |
C31 | 150 | 210 |
C39 | 180 | 255 |
C51 | 230 | 330 |
C63 | 290 | 410 |
C75 | 350 | 500 |
■ Gパイプ(厚鋼用)ネジあり
Cパイプよりは使用頻度が高い、ネジ付きで厚鋼タイプの金属配管です。
屋外や防爆仕様での露出配管する時に使用しています。
▪ Gパイプの種類とサイズ
種類 | サイズ | 厚み |
G16 | 21.0 | 2.3 |
G22 | 26.5 | 2.3 |
G28 | 33.3 | 2.5 |
G36 | 41.9 | 2.5 |
G42 | 47.8 | 2.5 |
G54 | 59.6 | 2.8 |
G70 | 75.2 | 2.8 |
G82 | 87.9 | 2.8 |
G92 | 100.7 | 3.5 |
G104 | 113.4 | 3.5 |
▪ Gパイプ用ノーマルの種類とサイズ
種類 | ノーマル(R) | ノーマル(L) |
G16 | 90 | 150 |
G22 | 110 | 180 |
G28 | 140 | 215 |
G36 | 170 | 250 |
G42 | 210 | 295 |
G54 | 235 | 345 |
G70 | 275 | 425 |
G82 | 310 | 510 |
G92 | 355 | 575 |
G104 | 395 | 645 |
■ パイプの構造
パイプの構造は、上記の図のようになっています。
EパイプとCパイプは配管の外径での表示になっていますが、Gパイプだけは内径の表示になっています。
上記サイズ表にも記載していますが、Gパイプだけはパイプの厚みがあります。
EパイプやCパイプよりも曲げにくいです。
パイプベンダー(手動式)の種類
■ メーカー
・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ Panasonic(パナソニック株式会社)
他にも沢山あると思いますが、パイプベンダーを販売している代表的なメーカーを記載しています。
■ 材質
・ スチール製
・ アルミ合金製
上記、2種類があります。
よく利用されているのはスチール製だと思いますが、軽量化にする為にアルミ合金製に変わってきています。
これから購入を検討されている方はアルミ合金製が良いと思います。
アルミ合金製はスチール製よりも軽量ですが、強度的には弱いと感じます。
Panasonicのベンダーの注意書きに、ステンレスパイプには使用しないで下さいと記載しています。
ステンレスのパイプには使用しないでくださいね。
ステンレス製を配管する場合には、規制品のノーマルを使用した方が、作業が早いと思います。
■ 種類
・ 手動式
・ 油圧式
上記、2種類がありますが、サイズによって使い分けしています。
手動で金属配管を曲げる場合
・ E・Cパイプだと、19~39
・ Gパイプだと、16~22
それ以上は、油圧式を利用する事が多いです。
E・Cパイプだと39まで手で曲げる事もありますが、かなり硬くなり曲げにくいです。
油圧で曲げた方が簡単ですよ。
パイプベンダー油圧式は、別のブログに記載しようと思います。
■ パイプベンダーのタイプ
・ 固定式(一体型)
・ 分離式
一般的なパイプベンダーは、固定式(一体型)になっています。
DENSANから販売されているパイプベンダーのみ分離式になっています。
■ 曲げられるパイプのサイズ
・ Eパイプ
E19、E25、E31、E39
・ Cパイプ
C19、C25、C31、C39
・ Gパイプ
G16、G22
上記サイズが、手で曲げられるサイズです。
先ほども記載していますが、E・Cパイプだと39までのサイズが手で曲げられますが、かなり硬く曲げにくいです。
苦労して曲げるよりも、油圧式で曲げた方が簡単です。
■ パイプベンダーのサイズ
・ 長さ
1115mm~1489mm
・ 重さ
1.6kg~8.5kg
参考までに記載しました。
長さは、あまり差はありませんが、重さはかなり差があります。
曲げるサイズが大きくなればなるほど、重くなりますよ。
パイプベンダー(手動式)のメリット・デメリット
ゲンコツ(ヒッキー)タイプと足踏み(一発ベンダー)タイプのパイプベンダーを比べてみました。
■ パイプベンダー
▪ メリット
・ 自由に曲げられる。
45°・90°・S字・ヘの字と、どのようにも曲げられます。
コツが必要ですが、自由に曲げられますよ。
▪ デメリット
・ 折れやすい。
1ケ所での曲がり具合がきついと簡単に曲がってしまいます。
支点をズラしながら曲げると折れにくいです。
■ 一発パイプベンダー
▪ メリット
・ 90°に曲げるのが簡単。
練習を数回するだけで、誰でも簡単に曲げられると思います。
・ 同じRが作れる。
一発ベンダーのRが決まっているので、何回曲げても同じように曲げられます。
・ 折れる心配がない。
配管にベンダーを取付けて、力いっぱい曲げても折れる事はありません。
▪ デメリット
・ 90°しか曲げられない。
決まったRの決まった長さでしか曲げられません。
便利の様で不便でもあります。
パイプベンダー(手動式)の使い方
■ ゲンコツ(ヒッキー)タイプの場合
① パイプに曲げ始めの印を付ける。
曲げ始めの印を付けます。
曲げ始める場所で長さが決まってくるので、きちんとした寸法を出してください。
② 支点をズラしながら曲げます。
支点をズラさないで曲げると、簡単に折れてしまいますので注意してくださいね。
③ 配管を床に置き、垂直を確認する。
水平器を配管に取付けて、垂直を確認します。
マグネットタイプの水平器が便利です。
④ 配管の先端を持ち、水平に合わせる。
水平器で確認しながら水平を合わせます。
⑤ 配管の長さを確認する。
床に置いた配管の長さを確認します。
⑥ 短い方の配管を微調整する。
短くしたい場合は、曲がりの先端を曲げ、配管を前方に押し出します。
長くしたい場合は、曲がりの根本を曲げ、配管を前方に押し出します。
多少の誤差は調整する事が可能です。
長過ぎた場合は、配管を切断した方が早いです。
⑦ 長い方の配管を切断する。
配管を切断する時には、バンドソーが便利です。
バンドソーで切断すると、切りくずが飛散しにくいです。
以上、パイプベンダーの使い方でした。
90°のノーマルを作る場合、支点をズラしながら配管を曲げていきますが、曲げる力と回数を覚えておいてください。
同じように配管を曲げれば、同じサイズのノーマルを作る事ができます。
ノーマルのサイズは適当ではダメです。
市販品のノーマル、もしくは一発ベンダーで曲げた寸法が基準になります。
一発ベンダーがある時には、一発ベンダーで曲げてみて、その曲がりと同じようになるように曲げ方を調整してください。
最初は時間がかかると思いますが、慣れてしまえば簡単に曲げられるようになると思います。
■ 足踏み(一発ベンダー)タイプの場合
① パイプに曲げ始めの印を付ける。
曲げ始めの印を付けます。
曲げ始める場所で長さが決まってくるので、きちんとした寸法を出してください。
ここは、ゲンコツ(ヒッキー)タイプも足踏み(一発ベンダー)タイプ同じです。
② 配管を曲げる。
90°になるまで一気に曲げます。
折れる心配がないので、一気に曲げてください。
③ 配管を床に置き、垂直を確認する。
水平器を配管に取付けて、垂直を確認します。
マグネットタイプの水平器が便利です。
④ 配管の先端を持ち、水平に合わせる。
水平器で確認しながら水平を合わせます。
⑤ 配管の長さを確認する。
床に置いた配管の長さを確認します。
⑥ 長い方の配管を切断する。
配管を切断する時には、バンドソーが便利です。
バンドソーで切断すると、切りくずが飛散しにくいです。
以上、パイプベンダーの使い方でした。
足踏み(一発ベンダー)タイプで長さの微調整はできません。
一発ベンダーは誰が曲げても同じように曲げられると思います。
ベテランさんでも、作業をスピーディーされたい方は使用していますよ。
私のオススメ工具
まとめ
今回はパイプベンダー(手動式)を紹介しました。
パイプベンダー(手動式)のタイプは2種類あります。
・ ゲンコツ(ヒッキー)タイプ
・ 足踏み(一発ベンダー)タイプ
使用する場所に合わせて使い分ける事で、綺麗な露出配管ができると思います。
露出配管する時には必要なので、検討してみてはいかがでしょうか。
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