安全帯の種類と使い方! 高所作業では必ず着用、高所からの落下も防ぐ

FUJIDENKO 安全帯 FS-90 腰道具




こんにちは、長島です。

今回は『安全帯』を紹介します。

高所からの落下を防ぐ安全工具です。

安全帯を選ぶ時の参考にしてくださいね。

  

安全帯とは

高所作業時に使用する事で、地上まで落下しないようする、安全工具です。

出典元:amazon

腰道具に装着し、足場の手摺や、鉄骨などの強度があるものにフックを取付け固定します。

建築現場では、安全帯を装着していないと、現場内にも入る事ができない現場もあります。

必ず必要になってくると思いますよ。

 

安全帯の種類

■ メーカー

・ DENSAN(ジェフコム株式会社)
・ FUJII DENKO(藤井電工株式会社)
・ MARVEL(株式会社マーベル)
・ TAITAN(サンコー株式会社)
・ TAJIMA(株式会社TJMデザイン)

他にもあると思いますが、安全帯を販売している代表的なメーカーを記載しています。

私はFUJII DENKOの安全帯を使用しています。

■ 安全帯の構成

胴ベルト・ランヤード・フックの3点から構成されています。

腰道具に装着する場合は、腰道具が胴ベルトと同じ扱いになるので、腰道具・ランヤード・フックの3点の構成になります。

■ 安全帯の種類

・ 胴ベルト型用
建築現場で使用されているのは、このタイプが多いです。

・ ハーネス型用
高所作業をメインでされている職種に多いのが、ハーネス型です。
橋を造る業者さんや、鉄骨を組んでいる業者さんに多いです。

安全帯は大きく分けて、2種類あります。

以前、米軍での仕事があった時は、胴ベルト型の安全帯は使用できませんでした。

米軍での作業は、ハーネス型の安全帯のみ使用可能になっています。

■ 私が持っている安全帯

藤井電工 安全フック FS-90
FUJIDENKO 安全帯 FS-90

・ 腰道具装着

FUJIDENKO 安全帯 FS-90 腰道具

私が持っている安全帯です。

フックタイプになっているので、簡単に脱着ができます。

屋外での打ち込み作業時には使用し、内装の仕上げ工事になってくると、安全帯が不要になるので、その場合は安全帯を外して作業しています。

 

胴ベルト型安全帯

胴ベルト型は胴ベルトに装着するタイプです。

■ 胴ベルト装着タイプ

・ リールタイプ巻取り式
・ ロープ式

上記、2種類があります。

リールタイプ巻取り式もロープ式も、更に分かれているので、各々に説明します。

■ リールタイプ巻取り式

① ベルト固定式

胴ベルトに固定するタイプです。

ランヤードの本体(リール式)を、ベルトに通して固定するので、安全帯から外す事はできません。

以前に比べると、コンパクトになっているので、腰道具のスペースを有効に使えるようになっています。

安全帯を取付けるスペースが必要なので、取付けるスペースがある人だけ購入してくださいね。

② フック脱着式

腰ベルトのA環やD環に、フックを掛けて固定するタイプです。

脱着が可能なので、安全帯を使わない場合は外すのも簡単です。

ベルト固定式もフック脱着式も、ショックアブソーバーが付いているタイプがあります。

▪ ショックアブソーバーとは

落下した時に、ショック(衝撃)を和らげてくれる有難い装備です。

どのくらいの衝撃が緩和されるのかわかりませんが、付いていると便利だと思います。

リールタイプ巻取り式を検討されている方は、迷わすショックアブソーバーが付いている物を選んでくださいね。

■ ロープ式

ロープ式も、2種類あります。

① 平ロープ型
平ロープ型は読んで字の如く、平たいロープのランヤードです。
一般的な三つ打ちロープや、八つ打ちロープよりもコンパクトにまとめられ、キンクしない・捩れにくいなどのメリットがあります。

② 丸ロープ型
ロープ式ランヤードは、丸いタイプのランヤードです。

▪ ロープの編み方

・ 三つ打ち
3本のロープを捩じった編み方をしています。
八つ打ちよりも堅いです。

・ 八つ打ち
8本のロープを捩じった編み方をしています。
三つ打ちよりも柔らかいです。
捩じれにくいですよ。

■ ロープの長さ

・ 780mm~1800mm
短いロープと長いロープでは1mも違います。
長い方が使いやすいと思います。

■ 重さ

・ 480g~700g
あまり差はなさそうです。

■ フック

・ 片側フックタイプ
胴ベルトに直接取付けるタイプです。
大きいフックしかありません。

・ 両側フックタイプ
補助ベルトのD環やA環等の環類に、小さいフック引っ掛けて固定します。
小さいフックと大きいフックが付いています。

■ より戻し

フックの根元に付いている機能です。

より戻し機能があると、フックを引っ掛ける時にロープの捩れを取る必要がないので、フックをかけるのが簡単になります

種類によっては、より戻しが無いタイプもあるので、より戻しはあるタイプをオススメします。

■ フック脱着式の注意点

リールタイプ巻取り式、ロープ式にもフック脱着式の安全帯があります。

フック脱着式は取付けが簡単で、ロックを解除してA環やD環などに取り付けます。

装着時はカチッと音がしますが、音だけで判断せず、必ず音と目視と両方で確認して下さいね。

以前、知人から聞いた事があるヒヤリハットを紹介します。

■ フック脱着式安全帯のヒヤリハット

10年以上前に、当時の先輩から聞いた話です。

先輩は屋内の電気工事をしている時は、安全帯を外して作業しています。

屋外での高所の時だけ、安全帯を着用しています。

その日は屋外で高所作業の予定でした。

先輩はフック脱着式の安全帯を使用しているので、当日も作業前にD環に安全帯を装着しました。

いつもは音と目視で確認するのですが、今回は音だけで判断して、目視していなかったみたいです。

高所に到着し、フックを手摺に取り付けようとしたら、安全帯が『ぽろっ』と外れました。

フックが、D環に取付ける時に服を巻き込んでいたみたいです。

今回は何事もなく大丈夫でしたが、もし実際に安全帯を使用する場面に遭遇したら、先輩は地上まで落下していたと思うと話していたのを覚えています。

そう考えるとゾッとしますね。

その話を聞いた私は、音だけで判断せず、目視と音と両方で確認しようと思いました。

今でも、目と音で確認するようにしています。

皆さんも注意してくださいね。

 

ハーネス型安全帯

ハーネス型安全帯は、胴ベルト型安全帯よりも安全性は高いです。
下記のような安全帯です。

ハーネス型安全帯
出典元:藤井電工株式会社

 

もし高所より落下した時の事を考えた時、胴ベルト型安全帯は腰ベルトの1点で自分の体重を支える事になりますが、ハーネス型だと肩から腰、腰から両足とベルトを巻いているので、体を支える場所が多く、落下した時の衝撃を抑えてくれます。

装着する場合は、最初は時間がかかると思いますが、慣れてくればスムーズに装着できると思います。

常に高所で作業される方や、安全性を重視される方にはオススメです。

先端のフックにはスチール製やアルミ製があります。

強度を重視するならスチール製、軽さを重視するなら、アルミ製です。

私は、強度を重視する方が良いと思うので、スチール製が良いと思います。

フックの根元により戻しがあるものが良いですよ。

フックを取付けようとした時に、ランヤードを回転させよりをとってから、手摺などに固定するようになります。

より戻しがあると、捩じれを気にする事もなく使用できるのでオススメです。

後は自分の好みになると思うのですが、1つだけ確認してほしい事があります。

それは、安全帯のケースに、『厚生労働省「安全帯の規格」適合品』と記載している事です。

この表示がないものを購入した場合、保険の対象外になる可能性もあるかもしれません。

くれぐれも忘れないで下さいね。

ほとんどのメーカーは『厚生労働省「安全帯の規格」適合品』と表示してあると思います。

必ず確認だけはするようにしてくださいね。

 

安全帯のメリット・デメリット

安全帯の胴ベルト型と、ハーネス型を比べてみました。

■ 胴ベルト型安全帯

▪ メリット

・ フック脱着式は、脱着が簡単。
環類に取り付けるだけなので、とても簡単です。
不要な場合は、簡単に外す事もできます。

▪ デメリット

・ 落下した時は、衝撃が腰に直接伝わり、重大災害になる。
胴ベルトのD環等に引っ掛けるだけなので、一点だけの衝撃になります。
ショックアブソーバー付きだと、少しですが衝撃を和らげてくれます。

・ 落下した時にすり抜ける可能性がある。
腰道具に取付けているので、腰道具から自分自身がすり抜けて落下する可能性があります。
まさかと思われるかも知れませんが、事故はそのまさかが起こるのが事故です。

■ ハーネス型安全帯

▪ メリット

・ 安全性が高い。
肩から腰、股下にベルトを巻くので、落下した時の衝撃が胴ベルト型安全帯と比べると下がります。

・ 落下した時にすり抜ける可能性はほとんどない。
肩から腰、股下までベルトを巻くので、すり抜ける可能性は限りなく0(ゼロ)に近いと思われます。

▪ デメリット

・ 装着するのが面倒で時間がかかる。
慣れるまでは時間がかかると思いますが、慣れてしまえば手際よく装着できると思います。

・ 動きづらい。
ハーネス型安全帯を体に巻き付けてから、腰道具を装着するような形になります。
体中にベルトを這わせる形になると思うので、慣れるまではとても動きづらいと思います。

しかし安全面ではハーネス型が良いと思うので、自分自身の安全を守る為には、ハーネス型安全帯はオススメです。

 

胴ベルト型安全帯の使い方

私は胴ベルト型安全帯しか持っていないので、胴ベルト型安全帯の使い方を紹介します。

FUJIDENKO 安全帯 FS-90-1

■ 小さいフックを腰道具に取付ける場合

FUJIDENKO 安全帯 FS-90-2

① ロックを解除する。
親指でロックを押して解除します。

安全帯ベルト側取付-2

② フックを開く。

安全帯ベルト側取付-3

③ 腰道具のV環に引っ掛ける。

安全帯ベルト側取付-4

④ ロックを離す。

安全帯ベルト側取付-5

以上、安全帯側にフックを取付ける手順でした。

■ 大きい方のフックを取付ける場合

▪ 大きい方のフックを取り付ける時。

FUJIDENKO 安全帯 FS-90-3

① ロックを解除する。
・ 解除前

安全帯取付-1

・ 解除後
手の平で上に押すと、少しだけ上がります。

安全帯取付-2

② フックを開く。
ロックを解除しないとフックは開きません。

安全帯取付-3

③ フックを足場等の、強度のあるものに引っ掛ける。

以上、大きい方のフックを取付ける手順でした。

簡単ですね。

フックを引っ掛ける場所は、自分の体重が耐えられる、強度がある場所に限ります。

簡単に外れてしまう場所には、フックを取付けないように気を付けてくださいね。

■ 胴ベルト型安全帯でのヒヤリハット

20年以上前の、当時の上司から聞いた話です。

その時は、携帯電話工事関連でアンテナを取付ける仕事をしていました。

携帯電話のアンテナは、鉄塔にアンテナが立っていますよね。

そのアンテナを取付けている時に、足を滑らせて落下しました。

安全帯を着用していたので、地上まで落下する事はありませんでしたが、胴ベルト型の安全帯を使用していたので、腰道具が胸までせり上がり、あばら骨を数本骨折したみたいです。

胴ベルト型の安全帯は、落下時には少なからず怪我をしてしまいます。

安全面を考慮すると、ハーネス型が良いと思います。

 

私のオススメ工具

■ リールタイプ ベルト固定式

■ リールタイプ フック脱着式

 

まとめ

今回は安全帯を紹介しました。

高所で作業する時には、自分の身を守る工具として重要になります。

必ず着用するようにしてくださいね。

安全帯を付けていないと現場に入れない事もあります。

私は電柱での高所作業時は胴綱を使用しています。

胴綱とは 安全帯に似た工具で、胴ベルトに胴綱装着して使用します。

胴綱を使用する事で、両手が使えるようになります。

電柱に胴綱を回して、右前のD環にフックを取り付けます。

伸縮調節器で調整して自分の使用したい長さに調整もできます。

胴綱を使用する時も、安全帯は補助帯としても使用していますよ。

話は脱線しましたが、安全帯はとても重要なので、必ず着用するようにしましょうね。

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